七人の侍 |
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旗のように 侍は 嵐の中 翻る テフリョウフリョウ ヒョウフリョウ ヒヤルロアラヨヒョウフリョウ 苦しい時も さわやかに 悲しい時も うつくしく 名のみ憎しむ 我なれど あわれは誰も 変わりなし 風のように 侍は 大地の上を 吹きすぎる テフリョウフリョウ ヒョウフリョウ ヒヤルロアラヨヒョウフリョウ 昨日見し人 今日はなし 今日見る人も あすあらじ 明日とも知らぬ 我なれど 今日は人こそ かなしけれ |
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黒沢明監督の代表作とも言える傑作映画「七人の侍」 そのまた絶妙な映画音楽を書いたのが早坂文雄であったこともまた非常に良く知られていますが、彼がそのあまりにも有名な主題テーマに自ら歌詞を付けて歌にしていることは、映画そのものの中で歌としては取り上げられていないこともありあまり知られていないのではないでしょうか。昭和29年にレコードとしてリリースされたこの歌詞付きバージョンでは、李香蘭こと山口淑子さんがその美しいソプラノでじっくりと歌っています。これは彼女の最後のレコード吹き込みなのだそうで、この後彼女は外交官夫人から政治家になられて活躍されました。現在もご存命ですね。
テフリョウフリョウ・・・というのは風の音の描写でしょうか。なかなかに不思議な響きですがメロディによく乗っています。作詞家でない人の詞にしてはたいへんに良くできているなあ、と私は感動しました。まあどのような歌詞が付いても映える、それだけ魅力的なメロディであるということもまたいえるのでしょうけれども。
( 2007.12.15 藤井宏行 )