Die Händler und die Macher Op.66-11 TrV 236 Krämerspiegel |
商人とその元締めは 商人の鑑 |
Die Händler und die Macher Sind mit Profit und Schacher Des “HELDEN” Widersacher. Der lässt ein Wort erklingen Wie Götz von Berlichingen. |
商人とその元締めは あこぎに儲けよってからに 「英雄」に楯突きます せやから英雄はごっつい一言かますねん ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンみたいなんを |
ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンは16世紀に実在した騎士で、右手に鉄の義手をしていたことから「鉄腕ゲッツ」とも呼ばれているようです。彼の自叙伝にヒントを得てゲーテが若き日に書いた歴史劇「ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」で有名になりました。実在の人物はもっとしたたかで抜け目ない人だったようですが、戯曲上の彼は高潔で勇敢な人物として描かれていたためにここに英雄の仲間として登場することになりました。「英雄」とはもちろん、交響詩「英雄の生涯」で自分自身を英雄になぞらえたシュトラウス自身ですね。あそこでも英雄の敵との熾烈な戦いが描写されていましたっけ。
「ごっつい一言」のところではまた、ここでこの曲を引用するかあ、というメロディの引用の(なおこれはシュトラウスの曲ではありません)しょうもない使い方が聞かれます。
( 2007.12.01 藤井宏行 )