For the Dear Old Flag I Die! |
親愛なる旗の下でぼくは死ぬんだ |
“For the dear old Flag I die,” Said the wounded drummer boy; “Mother,press your lips to mine; O,they bring me peace and joy! 'Tis the last time on the earth I shall ever see your face, Mother,take me to your heart, Let me die in your embrace. (chorus) For the dear old Flag I die, Mother,dry your weeping eye; For the honor of our land And the dear old Flag I die. Do not mourn,my mother dear, Every pang will soon be o'er; For I hear the angel band Calling from their starry shore; Now I see their banners wave In the light of perfect day, Though 'tis hard to part with you, Yet I would not wish to stay. (chorus) For the dear old Flag I die, Mother,dry your weeping eye; For the honor of our land And the dear old Flag I die. Farewell mother,Death's cold hand Weights upon my spirit now, And I feel his blighting breath Fan my pallid cheek and brow. Closer! closer! to your heart, Let me feel that you are by, While my sight is growing dim, For the dear old Flag I die. (chorus) For the dear old Flag I die, Mother,dry your weeping eye; For the honor of our land And the dear old Flag I die. |
親愛なる旗の下でぼくは死ぬんだ 傷ついた鼓手の少年は言った かあさん、くちづけをぼくにくれよ ああ、くちづけは安らぎと喜びをくれるんだ! この世で最後の時なんだ かあさんの顔を見られるのは かあさん、抱いておくれよ かあさんの胸の中で死にたいんだ (コーラス) 親愛なる旗の下でぼくは死ぬんだ かあさん、涙を拭いておくれよ 祖国の栄誉のために そして親愛なる旗のもとでぼくは死ぬんだから 悲しまないでおくれよ 大好きなかあさん この喘ぎもすぐに終わるさ 天使の楽団が聴こえるんだ 輝く彼岸から呼んでいる音楽が 今ぼくには彼らの旗が波打つのが見える 完璧な日の輝きの中で かあさんと別れるのはつらいけれど でもぼくはもうとどまるつもりはない (コーラス) 親愛なる旗の下でぼくは死ぬんだ かあさん、涙を拭いておくれよ 祖国の栄誉のために そして親愛なる旗のもとでぼくは死ぬんだから さよならかあさん 死の冷たい手は ぼくの魂を今持ち上げようとしてる そしてぼくは感じる 死の楽しげな息が ぼくの蒼ざめた頬を撫でて吹いているのを もっと近く!もっと近く!かあさんの胸に かあさんがそばにいるのを感じさせてよ ぼくの目の前がぼやけてくる前に 親愛なる旗のもとでぼくは死ぬんだ (コーラス) 親愛なる旗の下でぼくは死ぬんだ かあさん、涙を拭いておくれよ 祖国の栄誉のために そして親愛なる旗のもとでぼくは死ぬんだから |
南北戦争が終わりを見せない1863年、フォスターが書いたこの戦争を題材とした歌には悲しいものが増えてきますがこれもそんなひとつ。時代がこういうものを求めるようになったのに答えるというビジネス的なものもあったのでしょうが、それにしても興味深いのはこういう戦争に対する悲惨さを率直に歌っている歌がたいへん多くあるということです。南北戦争は世界の近代戦のはしりだとも言われていますが、まだこんな感じの率直な歌が作られ、歌われていたという点では昔の戦争の名残も大きかったのでしょう。現在の戦争であればこんな厭戦気分を高めるような歌は決して公式に作られ、歌われることはあり得ないと思います。それができていたこの時代の不思議さを、この歌を聴きながらじっくりとかみ締めたいと思います。
戦後に戦争の悲惨さを告発するような歌であれば、こんな内容のものもたくさんありますけれども、まさにその戦争中にこの歌が書かれているということはとても不思議なことなのですから。
( 2007.11.30 藤井宏行 )