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The White House Chair    
 
ホワイトハウスの椅子  
    

詩: フォスター (Stephen Collins Foster,1826-1864) アメリカ
      

曲: フォスター (Stephen Collins Foster,1826-1864) アメリカ   歌詞言語: 英語


Come all ye men of every state,
Our creed is broad and fair;
Buchanan is our candidate,
And we'll put him in the White House Chair.

(chorus)
Then come ye men from ev'ry state,
Our creed is broad and fair;
Buchanan is our candidate,
And we'll put him in the White House Chair.


Let all our hearts for union be,
For the North and south are one;
They've worked together manfully,
And together they will still work on.

(chorus)
Then come ye men from ev'ry state,
Our creed is broad and fair;
Buchanan is our candidate,
And we'll put him in the White House Chair.


We'll have no dark designing band
To rule with secret sway;
We'll give to all a helping hand,
And be open as the light of day.

(chorus)
Then come ye men from ev'ry state,
Our creed is broad and fair;
Buchanan is our candidate,
And we'll put him in the White House Chair.


We'll not outlaw the land that holds
The bones of Washington;
Where Jackson fought and Marion bled,
And the battles of the brave were won.

(chorus)
Then come ye men from ev'ry state,
Our creed is broad and fair;
Buchanan is our candidate,
And we'll put him in the White House Chair.
来たれ諸君 すべての州から
我らが信条は寛大にして公平だ
ブキャナンこそ我らが大統領候補
彼をホワイトハウスの椅子に座らせよう

(コーラス)
さあ来たれ諸君 すべての州から
我らが信条は寛大にして公平だ
ブキャナンこそ我らが大統領候補
彼をホワイトハウスの椅子に座らせよう


すべての心をひとつにするのだ
北部も南部もひとつになって
共に雄雄しくやってきたのだ
これからも共にやっていくのだ

(コーラス)
さあ来たれ諸君 すべての州から
我らが信条は寛大にして公平だ
ブキャナンこそ我らが大統領候補
彼をホワイトハウスの椅子に座らせよう


我らにはやましいたくらみなどない
闇の取引で決めることなど
我らはみなに救いの手を差し出そう
そして太陽の光のようにオープンだ

(コーラス)
さあ来たれ諸君 すべての州から
我らが信条は寛大にして公平だ
ブキャナンこそ我らが大統領候補
彼をホワイトハウスの椅子に座らせよう


我らは祖国を踏みにじりはしない
ワシントンが骨を埋めた国を
ジャクソンが戦い マリオンが血を流した国を
勇気ある者の戦いは勝利してきたのだ

(コーラス)
さあ来たれ諸君 すべての州から
我らが信条は寛大にして公平だ
ブキャナンこそ我らが大統領候補
彼をホワイトハウスの椅子に座らせよう

面白い曲です。ピッツバーグのフォスター家は民主党支持だったのだそうで、ここでも民主党の大統領候補、ジェームズ・ブキャナンを応援するキャンペーンソングを1856年の選挙にあたり書いています。そして彼は「ピッツバーグ・ブキャナン・グリークラブ」というところの音楽監督となってこの歌などで選挙キャンペーンに協力したのだそうです。こういうものがフォスターの作品の中にあるというだけでも興味深いところ。
そしてこの曲の甲斐あってというわけではないでしょうけれども、ブキャナンはめでたく第15代の大統領に当選しますが、結局一期4年限りであり、また当時激しくなっていた国の南北間の対立に無策であったなどあまり評判は芳しくない大統領になってしまいました。そしてこのあとの大統領があのアブラハム・リンカーンです。
ワシントンやジャクソン、そしてマリオン(恐らく独立戦争の英雄のひとり、フランシス・マリオンだと思います)といった過去の偉人たちを引き合いに出しているエンディングもなかなか興味深いです。そしてやがて南北戦争へと至ることとなる北部と南部の対立のこともほのめかされていますね。
この年にはもう1曲、「The Abolition Show(奴隷解放ショー)」という対立する共和党の大統領候補ジョン・フレモントの選挙キャンペーンをメタメタにおちょくった曲も書いています。なかなか面白い詞なのでこちらも訳したかったのですが背後にある歴史的事実が十分に把握できず。残念ながら断念しました。
さすがにこれらの曲は現在では歌われることはないようで、私もネット上のMIDI以外では聴いたことがないのですがひとつの歴史的な記録として取り上げてみることとします。

( 2007.11.30 藤井宏行 )


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