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Nelly Bly    
 
ネリー・ブライ  
    

詩: フォスター (Stephen Collins Foster,1826-1864) アメリカ
      

曲: フォスター (Stephen Collins Foster,1826-1864) アメリカ   歌詞言語: 英語


Nelly Bly! Nelly Bly!
Bring de broom along,
We'll sweep de kitchen clean,my dear,
And hab a little song.
Poke de wood,my lady lub,
And made de fire burn,
And while I take de banjo down,
Just gib de mush a turn.

(Chorus)
Heigh! Nelly Ho! Nelly,listen lub to me,
I'll sing for you play for you,a dulcem melody.
Heigh! Nelly Ho! Nelly,listen lub to me,
I'll sing for you play for you,a dulcem melody.


Nelly Bly hab a voice
Like de turtle dove,
I hears it in de meadow
And I hears it in de grove
Nelly Bly hab a heart warm as a cup ob tea,
And bigger dan de sweet potato down in Tennessee,
Nelly Bly shuts her eye when she goes to sleep,
When she wakens up again her eyeballs goin to peep

(Chorus)
Heigh! Nelly Ho! Nelly,listen lub to me,
I'll sing for you play for you,a dulcem melody.
Heigh! Nelly Ho! Nelly,listen lub to me,
I'll sing for you play for you,a dulcem melody.


De way she walks,she lifts her foot,
And den she brings it down,
And when it lights der's music dah
In dat part ob de town.
Nelly Bly! Nelly! nebber,nebber,sigh,
Nebber bring de tear drop to de corner ob your eye,
For de pie is made ob punkins and de mush is made ob corn,
And der's corn and pumpkins plenty lub a lyin in de barn.

(Chorus)
Heigh! Nelly Ho! Nelly,listen lub to me,
I'll sing for you play for you,a dulcem melody.
Heigh! Nelly Ho! Nelly,listen lub to me,
I'll sing for you play for you,a dulcem melody.
ネリー・ブライ! ネリー・ブライ!
おい、ほうきを持ってこっちにおいでよ
ぼくらはキッチンの床を掃いて、ねえ
それから歌を歌おうよ
薪を火にくべるんだ、恋人よ
火をしっかりと燃やすんだ
おいらがバンジョーを取りにいってる間
おかゆをしっかりかき混ぜててくれよ

(コーラス)
ハイ!ネリー!ホー!ネリー!おいらの愛を聞き届けてくれよ
おいらは歌うよ、弾くよ素敵なメロディを
ハイ!ネリー!ホー!ネリー!おいらの愛を聞き届けてくれよ
おいらは歌うよ、弾くよ素敵なメロディを


ネリー・ブライはきれいな声
野バトみたいに
そいつは野原でも歌ってるし
森の中でも歌ってるよ
ネリー・ブライは紅茶みたいにあったかい心
このテネシーで取れるさつまいもよりもでっかい心
ネリー・ブライは目を閉じる 眠るときにゃ
目が覚めたなら 目玉はまたきょろきょろだぜ

(コーラス)
ハイ!ネリー!ホー!ネリー!おいらの愛を聞き届けてくれよ
おいらは歌うよ、弾くよ素敵なメロディを
ハイ!ネリー!ホー!ネリー!おいらの愛を聞き届けてくれよ
おいらは歌うよ、弾くよ素敵なメロディを


彼女の歩く姿は、足を持ち上げて、
それからまた下ろす
足は軽やかになるのさ、
町に音楽が流れるときにゃ
ネリー・ブライ! ネリー!決して決して溜息つくんじゃない
きみの目頭に涙のしずくを落とすな
パイはかぼちゃでできてるし、マッシュはコーンでできている
コーンにもかぼちゃにもこの小屋でのたくさんの愛情が詰まってるんだ

(コーラス)
ハイ!ネリー!ホー!ネリー!おいらの愛を聞き届けてくれよ
おいらは歌うよ、弾くよ素敵なメロディを
ハイ!ネリー!ホー!ネリー!おいらの愛を聞き届けてくれよ
おいらは歌うよ、弾くよ素敵なメロディを

とても可愛らしく楽しい恋の歌。呼びかけている若者も、そしてネリーもテネシー州のプランテーションで働く黒人の奴隷でしょうか。それでも若い二人は労役の中でもわずかな楽しみは忘れないのでしょう。そんな感じがうまく訳し出せていれば良いのですが...
プランテーションで働く黒人たちの恋を語らう歌の中ではこれが詩もメロディも素晴らしく一番の傑作でしょうか。日本でもよく取り上げられますしご存知の方も多いでしょう。ただ歌詞にそういった奴隷制を仄めかしている言葉がまったく出ていませんので、この言葉が黒人訛りで書かれていることを見ないとそんなことにも気が付けないかも知れません。
さらには黒人訛りを使って歌を歌うこと自体、今となっては憚られることも多いからでしょうか、標準英語に直して歌われることも多くなり、「おお!スザンナ」や「草競馬」同様これらが黒人奴隷たちが歌った(ことに設定ではなっている)歌であるということがますます分かりにくくなってしまっています。ましてや日本語の詞にしてしまっては一層のこと。
それが良いことなのかどうなのかは何とも言い難いところがありますが(そんな悲惨な歴史は忘れられて良い音楽だけが残ればいいという考えもあります)、私はちょっとこだわってみたいと思っています。
この作品の書かれた1850年はフォスターにとっても傑作がたくさん生まれた年でした。

( 2007.11.30 藤井宏行 )


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