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1904   FP 48  
  Quatre Poèmes de Guillaume Apollinaire
1904年  
     ギョーム・アポリネールの4つの詩 

詩: アポリネール (Guillaume Apollinaire,1880-1918) フランス
   1904

曲: プーランク (Francis Poulenc,1899-1963) フランス   歌詞言語: フランス語


À Strasbourg en dix-neuf-cent-quatre
J'arrivai pour le lundi gras
À l'hôtel m'assis devant l'âtre
Près d'un chanteur de l'Opéra
Qui ne parlait que de théâtre

La Kellnerine rousse avait
Mis sur sa tête un chapeau rose
Comme Hébé qui les dieux servait
N'en eut jamais. Ô belles choses
Carnaval chapeau rose Ave!

À Rome à Nice et à Cologne
Dans les fleurs et les confetti
Carnaval j'ai revu ta trogne,
Ô roi plus riche et plus gentil
Que Crésus Rothschild et Torlogne

Je soupai d'un peu de foie gras
De chevreuil tendre à la compôte
De tartes flans et cetera
Un peu de kirsch me ravigote

Que ne t'avais-je entre mes bras.

ストラスブールに1904年
謝肉祭の月曜にぼくは着いた
ホテルではぼくは暖炉の前に座った
オペラ歌手の隣だったが
そいつは劇場のことしか話さなかった

赤毛の給仕女はかぶっていた
頭の上に バラ色の帽子を
神々に仕えていた女神ヘベでさえ
かつて被ったことのないような おお素晴らしいやつを
バラ色の謝肉祭の帽子に祝福を!

ローマでも ニースでもケルンでも
花々と紙吹雪の中
謝肉祭にぼくはお前の赤く染まった顔を見た
ずっと豊かでずっとやさしい王様よ
クレジュス・ロチルドやトルローニュよりもずっと

ぼくは夜食を取った、ちょっとのフォアグラに
柔らかいシカの砂糖煮
それにタルト・フランなどなど
ちょっとばかりのキルシュ酒がぼくを元気づけた

どうしてぼくはお前をこの腕に抱かなかったのか


これは前の曲に輪をかけて速いです。まるで興奮してブチ切れそうな神経の昂りが歌としてほとばしり出ているよう。ところが最後に腹いっぱいになってちょっとの間、そこでふと彼女のいないことの寂しさに気が付くところでは突如音楽が静かに、ゆっくりとなってそのギャップが実におかしいです。
これらアポリネールの詩に付けた4曲、プーランクの作品の中ではそれほど知られたものではありませんが、いずれも彼でしか書けないような才気にあふれていてたいへん面白い聴きものです。ぜひじっくり耳を傾けてみてください。

( 2007.11.23 藤井宏行 )


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