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Ballade à la lune    
 
月に寄せるバラード  
    

詩: ミュッセ (Louis Charles Alfred de Musset,1810-1857) フランス
    Premières poésies  Ballade à la lune

曲: ラロ (Edouard Lalo,1823-1892) フランス   歌詞言語: フランス語


C'était,dans la nuit brune,
Sur le clocher jauni,
La lune,la lune,
Comme un point sur un i.

Lune,quel esprit sombre
Promène au bout d'un fil,
Dans l'ombre,
Ta face et ton profil?

Es-tu l'oeil du ciel borgne?
Quel chérubin cafard
Nous lorgne
Sous ton masque blafard?

N'es-tu rien qu'une boule?
Qu'un grand faucheux bien gras
Qui roule,qui roule
Sans pattes et sans bras?

Rends-nous la chasseresse,
Diane au sein virginal,
Qui presse
Quelque cerf matinal!

Phoebé qui,la nuit close,
Aux lèvres d'un berger
Se pose,
Comme un oiseau léger.

Lune,en notre mémoire,
De tes belles amours
L'histoire
T'embellira toujours.

Et toujours rajeunie,
Tu seras du passant
Bénie,tu seras bénie,
Pleine lune ou croisant.

T'aimera le pilote
Dans son grand bâtiment,
Qui flotte,
Sous le clair firmament!

Et qu'il vente ou qu'il neige,
Moi-même,chaque soir,
Que fais-je,
Venant ici m'asseoir?

Je viens voir à la brune,
Sur le clocher jauni,
La lune la lune
Comme un point sur un i.

それは、こげ茶色の夜闇の中でのこと
黄ばんだ鐘楼の上にあるのは
月だ 月だった
まるでiの字の上の点みたいな

月よ、どんな夜の妖精が
糸の切れ端で操っているのか
この闇の中
お前の正面顔や横顔を?

お前は天の一つ目の覗き穴なのか
そこから偏屈な大天使が
ぼくたちを覗き見している
お前の青ざめたマスクの下で

それともただのボールなのかい?
丸々と太っている蜘蛛で
転がる 転がる
手も足もないから

ぼくらに返してくれよ 狩の女神
純潔の胸のディアーヌを
彼女は追っていったんだ
何頭かの朝の鹿を

フェーベは、夜になると
羊飼いの唇の上に
止まるのさ
まるで軽やかな小鳥みたいに

月よ、ぼくたちの記憶の中には
お前を愛した美しき者たちの
歴史があって
お前を永遠に輝かせているのだ

いつでも若々しい
お前は通りすがりだ
祝福された、お前は祝福されてる
満月のときも三日月も

お前を愛したのは船乗りだ
大きな船の上で
漂いながら
きらめく星空の下

そして風が吹こうと雪が降ろうと
ぼく自身も、どんな夕べでも
何をしにくるのかだって
ここに来て座って

見に行くのさ、こげ茶色の夜闇の中
黄ばんだ鐘楼の上に
月が出てるのを
まるでiの字の上の点みたいな


ミュッセの非常にユーモラスな詩にラロはまた軽妙なメロディを付けました。愉快な民謡風のメロディに続いて中間部分は流麗に月の美しさを讃えますが、最後はまたおどけたメロディが帰ってきて陽気に終わります。
ディアーヌ(ダイアナ)もフェーベも月の女神ですね。流麗なメロディで描写されているところではありますが、両者両様に好き放題しています。

この詩にはオッフェンバックも曲をつけていますが、詩の中で選んだ部分がだいぶ違うこともあってイメージがかなり違います。こちらも取り上げておきましたので比べてみてください。

月に捧げるバラード (ジャック・オッフェンバック)

( 2007.11.23 藤井宏行 )


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