国境の旗風 |
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風生臭き国境に 大和男子の意気高く 日の丸翳し駒進むれば 敵も影なし 矢弾の雨を潜り来て 月の塹壕に見る夢は 離れて遠き我が故郷 妻と幼子 今に大きくなったなら 鉄砲担いで剣着けて 僕も行きますいざ勇ましく 御国の為に 草刈る暇に手を合わせ 針の運びを暫し止め 祈るは一つただ懐かしき 夫の勲 正義の鉾の行くところ 山の草木も打ち靡き 国境千里空うららかに 薫れ旗風 |
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( 2021.08.13 藤井宏行 )