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世界唱歌(下)    
 
 
    

詩: 与謝野寛 (Yosano Hiroshi,1873-1935) 日本
      

曲: 奥好義 (Oku Yoshiisa,1858-1933) 日本   歌詞言語: 日本語


かくも行方は仏蘭西の
 花を飾れる大都會
パリのちまたをさまよへば
 人の心も酔ひぬべし

雲井に見ゆる五層樓
 星の光をつづりては
玉をみがける欄干に
 あさ日ゆふ日の影やどる

(中略)

瀬戸内海に入り来れば
 汽船のあゆみは遅けれど
見ゆる眺望(ながめ)の心地よく
 神戸の港に着きにけり

日は暮れたれど乗れる汽車
 佐野の驛に夜は明けて
天(あま)そそり立つ富士の根の
 雲に語らふ旅の夢

酒匂の川をうちわたり
 戸塚程ヶ谷あとにして
東京湾を過ぎし時
 着くや新橋停車場(すてーしょん)

世界の國を越え来ても
 廣く覺ゆる我國は
君が惠の廣きなり
 君が惠の廣きなり



下巻はスイスから花の都パリへと移り、そこからスタートとなります。リヨン経由でスペイン・ポルトガル→ジブラルタル経由でマルセイユ→シチリアをかすめてアレキサンドリア→カイロ→バルバリア(リビア・チュニジア)→サハラ沙漠→エジプトに戻り紅海からアデン→ペルシャからインド(ボンベイ・マドラス・ベナレス・カルカッタ)→スリランカ→いきなりメルボルン→シドニー・ブリスベーン来てインドネシアへ→フィリピン(ルソン島)→シンガポール→バンコク→サイゴン(ベトナム)→香港→上海→南京→北京→奉天→仁川→神戸と帰って参ります。当時は日本の植民地であった台湾や朝鮮半島は名前こそちらっと出て来ますが、世界の旅にはカウントされず、全く歌詞に言及がないのが興味深いところ。こちらは少し短くて66節。上下合わせて145節の大作です。全部歌った人はいないのでしょうね。

( 2021.06.20 藤井宏行 )


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