Soir Op.83 Deux mélodies |
夕暮れ 2つのメロディ |
Voici que les jardins de la nuit vont fleurir. Les lignes,les couleurs,les sons deviennent vagues; Vois! le dernier rayon agonise à tes bagues, Ma soeur,entends-tu pas quelque chose mourir? Mets sur mon front tes mains fraîches comme une eau pure, Mets sur mes yeux tes mains douces comme des fleurs, Et que mon âme où vit le goût secret des pleurs. Soit comme un lys fidèle et pâle à ta ceinture! C'est la pitié qui pose ainsi son doigt sur nous, Et tout ce que la terre a de soupirs qui montent, Il semble,qu'à mon coeur enivré,le racontent Tes yeux levés au ciel,si tristes et si doux! |
さあ 夜の庭が花開く 輪郭が、色が、音がぼやけてくるのだ ご覧よ! 最後の光が君の指輪に苦悶しているのを 恋人よ、君は聴こえるかい 何かが死んでいくのが? ぼくの額の上に、澄んだ水のようなきみのひんやりした手を ぼくの目の上に、花のように優しいきみの手を置いてくれよ そして 涙のひそやかな味を味わっているぼくの魂が きみのベルトのところにある 誠実で青白いユリの花のようであってくれ! それは憐れみだ ぼくたちの上にこんな風に指を置くのは、 そしてこの大地にある 立ち昇っていく溜息のすべてだと それはまるでぼくの陶酔した心に語ってくれているみたいだ 空を見上げてる君の瞳が、かくも悲しくかくも優しく! |
エレジーと題するアルベール・サマンの詩の前半6連をカットして、最後の3連だけにメロディをつけた歌曲です。原詩でもここまでは愛する二人の穏やかなデートの光景といった風情で、フォーレの取り上げた部分からいよいよ夜も暗くなってきて盛り上がっていくような感じです。その盛り上がりの部分にフォーレが印象的なメロディをつけて素敵な歌にしてくれました。恋人と触れ合う幸せな夜の一時をとても上品に美しい響きで。私にはこの時期のフォーレの歌曲作品の中でも一番魅力的に響く作品です。
( 2007.11.09 藤井宏行 )