Avant que tu ne t'en ailles Op.61 La bonne chanson |
お前が消えてしまう前に 優しい歌 |
Avant que tu ne t'en ailles, Pâle étoile du matin --Mille cailles Chantent dans le thym. Tourne devers le poète Dont les yeux sont pleins d'amour ; --L'alouette Monte au ciel avec le jour. Tourne ton regard que noie L'aurore dans son azur ; --Quelle joie Parmi les champs de blé mûrs. Puis fais luire ma pensée Là-bas,--bien loin oh,bien loin ! --La rosée Gaîment brille sur le foin.`` Dans le doux rêve où s'agite Ma vie endormie encor... --Vite,vite, Car voici le soleil d'or. |
お前が消えてしまう前に 青ざめた朝の星よ ――たくさんのウズラが 茂みの中で歌っている この詩人の方に振り返ってはくれないか 目に愛を一杯に溜めた詩人を ――ヒバリが 空に昇る 夜明けとともに お前の眼差しを向けておくれ 朝焼けがその青さの中に消し去ってしまうその眼差しを ――なんという喜び 実りきった麦の畑の中にいることは それから輝かせておくれ ぼくの想いを あそこに――はるか遠く、おお、はるか遠くに ――朝露は 楽しそうに光ってる 干し草の上で 甘い夢の中で体を揺する まだ眠りから覚めぬぼくの愛しい人… ――はやく、はやく ほら 金色の太陽が昇るのだから |
詩の解説などでは前半2行が天界のことを描写しているというような記述によく出くわしますが、消えていく星というのは恋人の瞳のことのように私には思えました。
恋人と一夜を過ごし、そして朝を迎える。
前半2行がふたりのベッドの上での、そして後半が明るさを増していく外の情景という風にくっきりと対比されています。音楽もまた、最初はまどろみの中静かにゆったりと、そして夜明けの外の情景の部分はきらめく響きで快活に、と見事に使い分けられています。
最後の連ではその区別もなくなり、すべてが騒がしくなる中朝の日の出を迎えます。
この詩は原詩集では5番目です。
( 2007.11.09 藤井宏行 )