Puisque l'aube grandit Op.61 La bonne chanson |
朝焼けが広がるのだから 優しい歌 |
Puisque l'aube grandit,puisque voici l'aurore, Puisque,après m'avoir fui longtemps,l'espoir veut bien Revoler devers moi qui l'appelle et l'implore, Puisque tout ce bonheur veut bien être le mien, Je veux,guidé par vous,beaux yeux aux flammes douces, Par toi conduit,ô main où tremblera ma main, Marcher droit,que ce soit par des sentiers de mousses Ou que rocs et cailloux encombrent le chemin ; Et comme,pour bercer les lenteurs de la route, Je chanterai des airs ingénus,je me dis Qu'elle m'écoutera sans déplaisir sans doute ; Et vraiment je ne veux pas d'autre Paradis. |
朝焼けが広がるのだから、ここに夜が明けるのだから、 長いことぼくの元を離れていたあとで、希望がまたやってきたのだから まるでぼくの呼びかけと探索に応えるかのように そしてまたこの大きな幸せをぼくのものにすることができるのだから ぼくは願う、あなたに導かれることを、穏やかな炎に燃える瞳で あなたに手を引かれることを、ああ ぼくの震える手に触れてもらい ひたすら進むことを、苔むした小道であろうと あるいは岩や石にさえぎられた険しい道であろうと そして 道をゆっくりと進みながら ぼくは無邪気な歌を歌う、そして自分に語りかける きっとあの人は嫌がらずに聴いてくれるだろう そしてぼくにはこれ以上の天国なんて必要ないのさ |
ヴェルレーヌの原詩は7連からなるかなり長いものですが、フォーレはそこから1・5・7連の3つだけを取り出して歌曲としています。かなり大胆なカットのようにも思えますが、読んでいても流れにそんな不自然さは感じませんでした。カットされた部分では、世間の人たちの冷淡さへの怒りを歌った部分などもあり、それがこの弾けるような情熱的なメロディとあまりなじみそうもない、ということもあります。詩集でも前から4番目で、また歌曲集の中に取り上げられたものの中では一番最初になるということですので、その熱さもまた納得いくところでしょうか。
もっとも最後の方は本当に幸せに浸っているかのように静かに終わります。
( 2007.11.09 藤井宏行 )