TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Au clair de la lune    
 
月の光に  
    

詩: 不詳 (Unknown,-) 
       原詩:フランス民謡

曲: 民謡/作曲者不詳 (Folksong,-)    歌詞言語: フランス語


Au clair de la lune
Mon ami Pierrot
Prête-moi ta plume*
Pour écrire un mot
Ma chandelle est morte
Je n'ai plus de feu
Ouvre-moi ta porte
Pour l'amour de Dieu

Au clair de la lune
Pierrot répondit
Je n'ai pas de plume
Je suis dans mon lit
Va chez la voisine
Je crois qu'elle y est
Car dans sa cuisine
On bat le briquet

Au clair de la lune
L'aimable Lubin
Frappe chez la brune
Qui répond soudain
Qui frapp' de la sorte
Il dit à son tour
Ouvrez votre porte
Au dieu de l'amour

Au clair de la lune
On n'y voit qu'un peu
On chercha la plume
On chercha du feu
En cherchant d' la sorte
Je n' sais c' qu'on trouva
Mais je sais qu' la porte
Sur eux se ferma.

お月様の光の中で
ぼくの仲良しピエロさん
ペンを貸してくださいな
字を書きたいんだ
ぼくのキャンドルは消えちゃった
もう何も灯りがない
ドアを開けてくださいな
お願いだから

お月様の光の中で
ピエロさんは答えました
ペンは持ってないよ
ぼくはベッドの中さ
お隣へ行きなよ
お隣にはあると思うから
だって隣のキッチンでは
火打石を使ってるから

お月様の光の中で
親切なルビンさん
扉を叩く 暗闇の中
すぐに返事がします
叩くのは誰?
彼は答えます
ドアを開けてよ
お願いだから

お月様の光の中で
何も見えません
ペンを探したし
灯りも探しました
そうやって探して
何が見つかったかは知らないの
でも知ってるよ ドアが
彼らの後ろで閉まったことは


ドビュッシーが歌曲「ピエロ」の中で印象的にメロディを引用しているフランスの民謡です。かの国では子供から大人まで幅広く知られているのだそうで、17世紀に活躍したオペラ作曲家リュリの手になるものだという説もあります(ほんとうのところは分かりませんが)。歌詞で描写されている情景は非常に不思議なもので、なんだか夢の中の出来事みたいです。最後のドアが閉まるところなどはナイトメアホラーのようでもあり、あるいはこれから花開く夜のオトナの時間の前触れのようでもあり、子供も歌うわらべうたにしては何とも意味深長な終わり方です。

( 2007.10.23 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ