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あばずれ女の亭主が歌った    
 
 
    

詩: 中原中也 (Nakahara Chuuya,1907-1937) 日本
    在りし日の歌 (1938)  

曲: 大中恩 (Oonaka Megumi,1924-2018) 日本   歌詞言語: 日本語


おまえはおれを愛してる、一度とて
おれを憎んだためしはない

おれもおまえを愛してる。前世から
さだまっていたことのよう

そして二人の魂は、不識(しらず)に温和に愛し合う
もう長年の習慣だ

それなのにまた二人には
ひどく浮気な心があって

いちばん自然な愛の気持を
時にうるさく思うのだ

佳い香水のかおりより
病院の、あわい匂いに慕いよる

そこでいちばん親しい二人が
時にいちばん憎みあう

そしてあとでは得態(えたい)の知れない
悔(くい)の気持に浸るのだ

ああ、二人には浮気があって
それが真実(ほんと)を見えなくしちまう

佳い香水のかおりより
病院の、あわい匂いに慕いよる



( 2021.02.18 藤井宏行 )


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