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道眞卿    
  新撰国民唱歌 第5集
 
    

詩: 大和田建樹 (Oowada Takeki,1857-1910) 日本
      

曲: 小山作之助 (Koyama Sakunosuke,1863-1927) 日本   歌詞言語: 日本語


ふり埋む雪を侵して
さく梅の春の初花
天地にみちわたる
色香は千代に散らず朽せじ

藤原の家人(いへびと)ならぬ
儒者の身の俄にのぼる
ためしなき雲の上
君のめぐみに答へざらめや

身も知らず家も忘れて
眞心に仕へしものを
おもひきや雲いでゝ
月の光を隠すべしとは

心にもあらぬ讒者の
讒言になきぬれぎぬを
きせられて罪人と
定まる此身夢かうつゝか

わがためは神やいまさぬ
わがためは月日や照らぬ
すつる身は厭はねど
心にかかる御世の行すゑ

かへりみる都の空は
雲ふかし朝廷は何處
わが友と見なれつる
軒端の梅よ春を忘るな

去年の秋たまひし御衣は
身につけて今も離さず
そのめぐみそのなさけ
おもへば涙そでもたもとも

都府樓の瓦は見れど
観音寺かねはきけども
あけくれに夜晝に
いつなぐさまん憂ある身は

家いでゝ三年になりぬ
都には何事かある
つくしがた月きよし
沈む光は曇らぬものを

大君の御言によりて
祭らるる御霊たふとめ
文の道文字の道
つきぬ都の榮あふぎて



( 2021.01.24 藤井宏行 )


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