Rimpianto |
後悔(嘆きのセレナーデ) |
Come un sogno d'or scolpito è nel core Il ricordo ancor' di quell'amor che non esiste più. Fu la sua vision qual dolce sorriso che più lieta fa, col suo brillar, la nostra gioventù. Ma fu molto breve in me la dolcezza di quel ben svani quel bel sogno d'or lasciando in me il dolor. Cupo è l'avvenir, sempre più tristi i di... la gioventù passata sarà rimpianto mi resta sol, sì rimpianto amaro e duol' nel cor! Oh raggio di sole, Sul mio cammino ahimè, non brilli più. Mai più,mai più. |
まるで黄金の夢のように 刻み込まれているんだ この心には 思い出が なお あの愛の それはもう残ってはいないのに あれはあの人の姿だった あの素敵なほほえみが 一層幸せにしてくれたんだ 輝かしさと共に ぼくらの若さの でもそれはあまりに短かった ぼくには あの素晴らしかった甘美さは 消え去ったのだ この金色に輝く夢は 残しながら ぼくに苦しみを 暗いんだ 未来は どんどんと悲しくなる 日々は 過ぎ去ってしまった若さの 後悔だけが ぼくには残る そう 苦く悲しい後悔が この心に! おお 太陽の光は ぼくの歩く道の上には ああ 輝かないのだ もはや もう二度と もう二度と |
フィレンツェ生まれのイタリアの作曲家エンリコ・トセリの唯一今に残った作品でしょうか。この曲日本語ではよく「嘆きのセレナーデ」と呼ばれることがあるのですが、その元になったと思われるイタリア語のタイトルはRimpianto(Regret)ですから、ニュアンスとしては嘆きというよりは若き日の愚かしい行為をしみじみと噛み締める「悔恨」といった感じです。曲想も長調でゆったりと歌われますので、このタイトルが付けられた当時の日本語での意味合いは分かりませんけれども、現代の感覚では「嘆き」というのは限りなく誤訳に近いのではないでしょうか。また恋人を呼び出そうと窓辺で歌うセレナーデという曲の概念からも外れた歌詞ですから、「セレナーデ」というのもかなり見当違いではあります。
今ではどちらかというと歌よりは器楽の独奏曲として取り上げられることが多い曲のように思います。私が歌になっているものを聴いたのも往年のテノール、ベニアミーノ・ジーリが惚れ惚れするような味わいで歌い上げたものくらいしか記憶にありません。
作詞のアルフレッド・シルヴェストリは生没年も経歴も調べられませんでした。あんまり凄いできばえの詩ではないですが、このシンプルで美しいメロディに乗せるにはなかなか素晴らしい味わいです。 (2007.05.05)
訳詞をコンサートにお使い頂くというお話を受け、11年振りに見直しました。かなり誤訳が多くあった」ようで申し訳ありませんでした。
( 2018.10.07 藤井宏行 )