Unverlierbare Gewähr Op.62-6 Lieder um den Tod |
なくしようのない保証 死者の歌 |
Eines gibt's,darauf ich mich freuen darf. Das wird nicht trügen. Eines Abends sicherlich ruht dies Herz von allen Flügen aus. Schlafen darf dann dieser Wandrer. Denn - was etwan weiter wacht, wird ein andres,wird ein andrer. Dieser hat sein Werk vollbracht - dann. |
ひとつのことがある、それは私が 信じられるただひとつのこと、決して裏切られることはない ある晩に間違いなく この心は安らぎ、飛翔して 去ってゆく こうしてこのさすらい人もようやく眠れる なぜなら-いくばくかは目覚め続けていても 人は別のもの、別の誰かになるのだから 彼の仕事は終わりを迎える - そのときに |
最後の曲はしみじみと人生の終わりを振り返ります。安らぎさえ感じさせるのは詩の力でもあり、そして音楽の力でもあるでしょうか。ムソルグスキーやショスタコーヴィチが死を恐ろしくそして冷徹なものとして描き出しているのと比べると、救いに満ちたこの歌は別の意味で心に染み入ってきます。それはキルピネンの人生感なのかそれともロシアとフィンランドの文化の違いなのか。
そこのところはよく分からなかったのですが興味深いところではあります。
緻密で鮮烈なヒュンニネンの歌も良いのですが、ここではやはりヒュッシュの芸の格を買います。
このSP盤復刻、わりとあちこちのレーベルから出ていて廉価で手に入ると思いますし、これもまた名唱の「愛の歌1・2」(詞は同じくモルゲンシュテルン)も聴けますので私としてはかなりのお薦めです。
( 2007.03.23 藤井宏行 )