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Vieni sul mar    
 
海にきたれ  
    

詩: 不詳 (Unknown,-) 
       原詩:イタリア民謡

曲: 民謡/作曲者不詳 (Folksong,-)    歌詞言語: イタリア語


Deh! ti desta fanciulla,la luna
spande un raggio s'i caro sul mar,
vieni meco t'aspetta la bruna
fida barca del tuo marinar.

Ma tu dormi,e non pensi al tuo fido,
ma non dorme chi vive d'amor;
io la notte a te volo sul lido
ed il giorno a te volo col cor!

Vieni sul mar vieni a vogar,
sentirai l'ebbrezza del tuo marinar!
Vieni sul mar.


Addio dunque,riposa,e domani
quando l'alba a svegliarti verrà,
sopra lidi lontani lontani
l'infelice nocchiero sarà.

Ma tu dormi,e non pensi al tuo fido,
ma non dorme chi vive d'amor;
io la notte a te volo sul lido
ed il giorno a te volo col cor!

Vieni sul mar vieni a vogar,
sentirai l'ebbrezza del tuo marinar!
Vieni sul mar.


Da quel giorno che t'ho conosciuta
o fanciulla di questo mio cuor,
speme e pace per te ho perduto
perché t'amo d'un immenso amor.

Fra le belle tu sei la più bella,
fra le rose tu sei la più fin:
tu del ciel sei brillante stella,
ed in terra sei beltà divin!

Vieni sul mar vieni a vogar,
sentirai l'ebbrezza del tuo marinar!
Vieni sul mar.

ああ君 可愛い娘よ 月は
海の上に輝く光を投げかけてる
おいでよ 君を待ってる茶色をした
誠実な君の船乗りのボートへと

なのに君は眠っていて、この誠実な男のことなど気にかけてくれない
でも愛に生きる人は眠ってなどいられないはずだ!
ぼくは夜毎に君のいる浜辺に飛んでくるし
昼間にはこの心が君のもとに飛んで行く

海においでよ 漕ぎにおいでよ
きみの船乗りに酔いしれるんだ
海においでよ


それじゃさよなら お休み またあした
夜明けがやってきて 目覚めの時が来たから
浜辺を離れ 遠く 遠く去る
この不幸な船乗りは

なのに君は眠っていて、この誠実な男のことなど気にかけてくれない
でも愛に生きる人は眠ってなどいられないはずだ!
ぼくは夜毎に君のいる浜辺に飛んでくるし
昼間にはこの心が君のもとに飛んで行く

海においでよ 漕ぎにおいでよ
きみの船乗りに酔いしれるんだ
海においでよ


きみを初めて知った日から
おおきみよ ぼくの心はきみで一杯
きみのせいで希望も安らぎもなくしてしまった
あまりに大きな君への愛のせいで

美しい娘たちの中でも君が一番きれいだし
美しいバラの中でも君が究極の花だ
君は空の輝く星
君はこの地上の美しき女神

海においでよ 漕ぎにおいでよ
きみの船乗りに酔いしれるんだ
海においでよ


この曲、私は子供の頃にNHKの「みんなのうた」で児童合唱が歌っていた「海がみんなに呼びかけるよ」といった内容の歌詞が鮮烈な印象を残していて(調べましたら薩摩忠氏の作詞で1964年に「海はまねく」という題で初放映されたようです。歌詞は見つかりませんでしたがサビの部分は「手をあげて 海は呼ぶ はやくはやくおいでと 海は呼ぶ」といった感じだったように記憶しています)、最近になってもとのイタリア語の歌詞で聴くようになっても違和感すら感じるほどなのですが、もともとは恋人を熱烈に海へと誘う歌なのですね。この曲の作者は不詳なようですが、これナポリ民謡としている資料とヴェネチア民謡としている資料があるのが興味を引きました。イタリアの地図をご覧頂けばお分かりのように、ナポリとヴェネチアでは場所が全然違いますので混同のしようはないと思うのですが...
見た感じ、詞はナポリ語ではないのでナポリ民謡というのは当たっていないようにも思えるのですが、どうも調べてみるとこの曲、ナポリで大流行したようでそれでポピュラーになったために「ナポリ民謡」と見なされることがある、というのが理由のようです。大変にロマンティックなワルツで恋人を誘っているメロディにはお洒落な味わいもあり、私には田舎のナポリよりは都会のヴェネチアの感じが聴いていてしますが(ってどちらも私は行ったことないのでかなり偏見が入っていると思いますけれど)。詞はいかにもイタリアだなあ、って感じですが、それでも星とかバラに喩えるところはやはりちょっとお上品でしょうか。

往年の大テナー、エンリコ・カルーソーが好んで歌っていた曲であったために世界的に知られるようになりました。やはりそのSP復刻(RCA=BMG)が貫禄と味わいでずば抜けているように思います。

( 2007.03.17 藤井宏行 )


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