Hope Mother and Child |
希望 母と子 |
I dug and dug amongst the snow, And thought the flowers would never grow; I dug and dug amongst the sand, And still no green thing came to hand. Melt,o snow! the warm winds blow To thaw the flowers and melt the snow; But all the winds from every land Will rear no blossom from the sand. |
雪の中を 掘っても 掘っても 花は決して咲かないでしょう 砂の中を 掘っても 掘っても 緑の草は 生えてはこない 雪よ 溶けて! 暖かい風が吹けば 雪が溶けて 花が咲くでしょう でも どんな国から 風が吹いてきても 砂から花が 咲くことはない |
何とも深遠な、哲学的な香りすらする詩です。雪はやがて溶けて春になる。でも砂からは決して緑が生まれない、という悲観的な言葉で詩は終わっていますが実はこれは春への憧れがメインのテーマなのではないかと思いました。だからこそアイアランドもこれに「希望」という題を付けているのでしょう。
母と子の関係の描写では必ずしもないのですけれども、それは作曲者が彼女の童謡集の中から取ってきたから。そしてなぜこの詩を持ってきたのかは音楽を聴くと良く分かります。
2曲目の優しいけれどどこかほの暗い冬の雪の夜を描写した音楽と、この次の第4曲目の爽やかな夏の光景を明るく描写しているところとの場面転換の繋ぎとしてこの曲は絶妙なのです。
( 2007.02.16 藤井宏行 )