Den första kyssen Op.37-1 5 Laulut |
初めてのくちづけ 5つの歌 |
På silvermolnets kant satt aftonstjärnan, från lundens skymning frågte henne tärnan: “Säg,aftonstjärna,vad i himlen tänkes, när första kyssen åt en älskling skänkes?” Och himlens blyga dotter hördes svara: “På jorden blickar ljusets änglaskara och ser sin egen sällhet speglad åter; blott döden vänder ögat bort - och gråter.” |
天の川のほとりに夕暮れの星がひとつ光っていた 暗くなった地上から、ひとりの娘が星に尋ねる 「教えて、お星様、天国ではどんな気持ちになるの 好きな人に初めてのくちづけをあげたときには?」 そうしたら天の恥ずかしがりの娘が答えたのが聞こえた 「光の天使たちが地上を見下ろして 彼らのもたらす至福が反映されていることを確かめます 死だけがひとり目を逸らして泣いているのです」 |
シベリウスの比較的よく取り上げられる歌曲のひとつ。短い詩と歌ですが非常に濃密です。初めてのキスという可愛らしいテーマでありながら詩人の描き出した会話はえらく哲学的。音楽の重苦しさもあって歌詞を知らずに聴くととてもこのような題名の歌だとは思えません。
音楽はいかにもシベリウスだなあ、といった感じで、重厚さだけでない力強さも魅力です。そんな曲想もあって作曲者自身の編曲ではないのですけれども、管弦楽伴奏に編曲されたものの方が迫力があって私は好きです。セーゲルスタムのバックを受けたバリトンのヒュンニネンのものや、フィエルスタードの伴奏による往年の大ソプラノ、フラグスタートのものなど。
( 2007.02.02 藤井宏行 )