Die Linien des Lebens Op.61-6 Sechs Hölderlin-Fragmente |
人生の線 六つのヘルダーリン断章 |
Die Linien des Lebens sind verschieden, Wie Wege sind,und wie der Berge Grenzen. Was hier wir sind,kann dort ein Gott ergänzen Mit Harmonien und ewigen Lohn und Frieden. |
人生の線は様々だ、 道程のように、そして稜線のように。 この世の我らの在りようは、来世で神に補われよう 調和と永遠の報いと安息とを以って。 |
「生の半ば」から10年後の1812年4月、精神を病み、ヘルダーリンの読者であり教養ある指物師ツィンマー氏の家で介護を受けていた時の作。一時的に具合の良くなった折、ツィンマーが持っていた神殿のスケッチを見て、それを木で作ってくれるよう所望したところ、自分はパンのために稼いでいるのであなたのような哲学的暇は無いと答えられ、「ああ、私だって哀れな人間なんだよ」と言って書き留めたという無題の断章で、全集では「ツィンマーに “An Zimmern”」と題されています。
ブリテンの曲は厳かに、歌は音程の変化も少なく進み、最後にシンフォニックなクライマックスを築きます。曲集の見事な締めくくりであり、過酷な運命を担った詩人の来世での安息への祈りのようでもあります。
参考文献:『ヘルダーリン(下)』手塚富雄(中央公論社)
( 2007.01.25 甲斐貴也 )