Faible coeur 12 Mazurkas |
弱い心よ 12のマズルカ |
Prépare-toi,faible coeur, À l'angoisse,à la douleur, Puisqu'il te plaît de rêver Ce qui ne peut arriver,faible coeur! Prepare-toi,faible coeur! De mon mal dois-je parler? Ou dois-je en faire un mystère? Je crains de le révéler, Mais je meurs,je meurs de me taire! De mon mal dois-je parler? Ah! Je meurs de me taire, Mais je tremble,mais je tremble d'en parler. Jamais coeur plein de tendresse N'éprouva tant de tristesse! Que l'espoir me berce une heure, Et pendant des mois je pleure, Tout un siècle de tourments Suit les courts et doux moments! Prends pitié mon Dieu,j'expire, Vivre passe mon pouvoir. C'est souffrir trop long martyre, Que,de vivre sans espoir! Dieu,fais grâce car j'expire . . . Ah! Tais-toi,tais-toi,mon coeur, Ah! Souffre et meurs de douleur! |
決心なさい、弱い心よ 苦しみを、痛みを あなたは夢を見るのが好きだけど それは決して叶わないわ、弱い心よ! 決心なさい、弱い心よ! 私の悩みを打ち明けるの? それとも分からないままにしておくのかを? 私は打ち明けるのが怖いわ でも死んでしまうわ、死んでしまうわ、秘めたままにしていたら! 私のこの苦しみを、言わなければならないの? ああ!死んでしまうわ、秘めたままでは でも震える、震える、打ち明けたりしたら 心は決して優しさで満たされないの 一杯の悲しみで試さないで! ひとときのやすらぎと 涙にくれる日々と 苦しみにあふれた年月のあとに ようやく安らぎの時が来るということを! どうかお慈悲を、神様、私は死にそうです もう耐えられそうにありません それはあまりに長い悩みと苦しみです 希望もなしに生きることは! 神様、どうか恩寵を、私は死ぬのですから... ああ!静かに、静かにして、私の心よ ああ!苦しみよ、この死の痛みよ! |
タイトルは直訳すれば「用意なさい」ですけれども、中の方に「この悩みを秘めておくのか、それとも打ち明けるのか?」とありますので、私は「決心しなさい」としてみました。ショパンのマズルカOp.7-3ヘ短調は思いっきり暗い前奏に、悲しいワルツのような主部、時々明るさを垣間見せながらも全体的にほんとに暗い作品で私も今まであまり良さが分かっておりませんでした。
今回このメロディにポメイの詞が付けられて歌われているのを、ショパンの歌曲全集のフィルアップとしてこのヴィアルドのマズルカ歌曲を5曲ほど併録しているHyperionのウルスラ・クリーゲルの歌にチャールズ・スペンサーのピアノで初めて聴くことができましたが、これが実に面白い。なるほど実はこの詩の部分はこう使われているのか、というのが絶妙のはまり方で大変楽しく聴けました。
この曲もフランス語の歌詞ですが、他のショパンの歌曲と一緒に聴いても全く違和感がないのには驚かされます。知られざるフランス語歌曲の逸品(というより珍品?)としてもっと取り上げる人が多くても良いように思える興味深い作品ばかりです。ポロネーズやノクターンでなくマズルカを使っているのが勝因ですな。ポロネーズとかだと斉藤晴彦氏がやっているようにギャグっぽくなってしまいますし、ノクターンだと濃厚に過ぎます。しかもどちらも長い...)。マズルカはショパン歌曲の多くに感じられる荒削りな素朴さが生きてたいへん素晴らしい歌になるものが多いのです(ギャグっぽくなるのも中にはありますけれども)。
ショパンの歌曲集と合わせて、未聴の方はぜひお試しください。
( 2007.01.01 藤井宏行 )