グレース ダーリング 大正少年唱歌 |
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波ぞ唸る 風ぞ荒るゝ 嵐にまじる夜深(よふけ)の聲は 力の限り 叫べる聲は 救(すくひ)求むる あはれ 難破船 父にすすめ オール取りて 木の葉の如く 沈みつ 浮きつ 荒波こえて 漕ぎ行く少女(をとめ) あはれ イギリス 孤島の少女(せうぢょ) 腕(かひな)疲れ 息はたゆる されども 力つゞかむ限り 尊とき人の生命(いのち)をすくふ 強き願ひに心ぞ勇む |
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グレイス・ダーリングはロングストーン島(Longstone)の灯台守ウィリアム・ダーリングの娘で19世紀に生きておりました。「1838年9月7日、彼女が22歳のとき、強い風と濃い霧の中、ハーカー岩(Harker rock)で座礁したフォーファーシャイア号から、父とともに9人を救助した。」とWikipediaにはあります。今や忘れ去られたお話ですが、昭和の初めにはまだまだ人口に膾炙していたのでしょう。
( 2020.02.11 藤井宏行 )