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Hymn   Op.31-6  
  Serenade for tenor,horn and strings
賛歌  
     テノール・ホルンと弦楽のためのセレナード

詩: ジョンソン,ベン (Ben Jonson,1572-1637) イングランド
    Cynthia's Revels Act.5 Queen and huntress,chaste and fair

曲: ブリテン (Edward Benjamin Britten,1913-1976) イギリス   歌詞言語: 英語


Queen and huntress,chaste and fair,
Now the sun is laid to sleep,
Seated in thy silver chair,
State in wonted manner keep:
  Hesperus entreats thy light,
  Goddess excellently bright.

Earth,let not thy envious shade
Dare itself to interpose;
Cynthia's shining orb was made
Heav'n to clear when day did close;
  Bless us then with wished sight,
  Goddess excellently bright.

Lay thy bow of pearl apart,
And thy crystal shining quiver;
Give unto the flying hart
Space to breathe, how short so-ever:
  Thou that mak'st a day of night,
  Goddess excellently bright.

女王さまにして狩の女神、穢れなくも美しきお方よ
今や太陽も眠りにつきました
あなたの銀の玉座へと座り
いつも通りのやり方でこの国をお治め下さい
  宵の明星もあなたの光を望んでいます
  いとも輝かしき女神様よ

大地よ、汝の嫉妬の翳りを
立ちふさがらせないで下さい
女神シンシアの輝く航跡が創られたのです
昼が終わった後も天を輝かすようにと
  意思に満ちた眼差しで我らを祝福ください
  いとも輝かしき女神様よ

真珠の弓を傍らにお置きください
そして水晶の輝く矢筒も置いて
空を駆ける牡鹿にお与えください
息をつく暇を、わずかの間であれ
  夜をも昼のようにするあなた
  いとも輝かしき女神様よ
  

月の女神シンシアを讃える見事なベン・ジョンソン (1572-1637)の詩、端整に整った形式の中からキラキラと光り輝くイメージが描写されとても見事です。
日本の朧月のポワーンとした雰囲気よりは、もっと輝かしくも研ぎ澄まされたイメージを月に見ているのが大変興味深いところです。ブリテンの付けた曲も輝くようなプレスト。踊るようなホルンに弦のピチカート、それに掛け合いながら軽やかに歌うテノール。印象的な曲の続くこのセレナードの中でもひときわ心に響きます。
ピアーズのテナーの歴史的録音(ホルンをデニス・ブレインが演奏しているもの)が凄かったですが、もっと軽やかで楚々とした感じのボストリッジ(ラトル/BPOと入れたものは未聴で、私が聴いたのはメッツマッハー/バンベルク響のものです)もこの曲の持つ華やかさに満ちてなかなか良かったです。(2006.09.17)

( 2007.09.15 藤井宏行 )


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