月夜愁曲 |
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月白し 露に光りて 野の芒わたる夕風 いづこにか笛の音すなり 嘆けとて歌ふがごとく 亡き妹(いも)の生きてありせば 良き聲に唱(うた)ひいでけむ きよき月隈なき空を ながむれば涙ぞうかぶ 大空をひとり行く月 そのかげも高くさみしき わが妹はいづこの空を 今宵しも旅してあらむ |
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( 2019.10.05 藤井宏行 )