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Anfangs wollt' ich fast verzagen   Op.24-8  
  Liederkreis
はじめはほとんど落ち込みそうになり  
     リーダークライス

詩: ハイネ (Heinrich Heine,1797-1856) ドイツ
    Buch der Lieder - Junge Leiden - Lieder(歌の本-若き悩み-歌たち 1827) 8 Anfangs wollt' ich fast verzagen

曲: シューマン,ロベルト (Robert Alexander Schumann,1810-1856) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Anfangs wollt' ich fast verzagen,
Und ich glaubt',ich trüg' es nie;
Und ich hab' es doch getragen -
Aber fragt mich nur nicht,wie?

はじめはほとんど落ち込みそうになり、
耐えられないだろうと思ったものだが、
しかし耐えてきた。
でも私に聞かないでおくれ、どうやってとは。


速度標語なし、4分の4拍子、ニ短調。
恋を失いながらもなんとか耐えてこられた、でもどうやって耐えられたのかは聞かないでくれというふうに読める4行詩である。だが、F=ディースカウの著書『シューマンの歌曲をたどって』(白水社)によると、この詩は本来一足のエナメル靴のことを歌っているらしい。つまり、履けないだろうと思った靴を「けれどもぼくはそれを履いた(und ich hab' es doch getragen)」というわけである。シューマンほか多くの作曲家はそうとは知らずに作曲したらしいが、確かにハイネの恋愛詩の中に含まれているのだから、まさか靴のことを歌っているとは誰も思わないだろう。
曲はコラール風の荘重なピアノの上を歌声がmfの強めの音量でつまずくことなく厳格に前進していき、最後の「どうやって」と疑問を投げかける箇所で意味深くリタルダンドの指示がくる。半終止で歌は終わり、疑問は投げかけられたままである。次の曲の前奏曲的な位置付けなのかもしれない。短いがよく出来た作品だと思う。

( 2006.07.15 フランツ・ペーター )


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