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Bed in Summer    
 
夏の早寝  
    

詩: スティーヴンソン (Robert Louis Balfour Stevenson,1850-1894) イギリス
    A Child's Garden of Verses  Bed in Summer

曲: アイアランド (John Ireland,1879-1962) イギリス   歌詞言語: 英語


In winter I get up at night,
And dress by yellow candle light.
In summer,quite the other way,
I have to go to bed by day.

I have to go to bed and see
The birds still hopping on the tree,
Or hear the grown-up people's feet
Still going past me in the street.

And does it not seem hard to you,
When all the sky is clear and blue,
And I should like so much to play,
To have to go to bed by day?

冬にはまるで夜中に起きるみたいで
黄色いろうそくの明かりで着替えるんだ
でも夏はぜんぜんちがうよ
まだ明るいのに寝なくちゃなんない

ベッドで寝ながら見てなきゃなんないんだ
鳥たちが木の上を飛び跳ねてる姿を
そして聴かなくちゃなんない。大人の人たちの足音が
まだ通りを行き交っているのを

そんなのつらくないかい
まだ空が青く晴れてて
もっとたくさん遊びたいと思っているのに
まだ明るいのに寝なくちゃなんないなんて?


「宝島」や「ジキル博士とハイド氏」などで知られたイギリスの作家スティーブンソンには、この曲を含むけっこうな数の童謡があるみたいです。最近私もこのスティーブンソンの詩の邦訳を紹介した絵本が出版されているのを見かけました。ここから取った詩では以前これもイギリスの女性作曲家リザ.レーマンが曲を付けた「ぶらんこ」を取り上げましたが、今の時期にぴったりの作品をもうひとつ、こちらもまたイギリス歌曲としてとても素敵な音楽に溢れているアイアランドの歌曲集の中に入っているのを見つけましたので取り上げてみることにします。
緯度の高いイギリスでは日本以上に日照時間の季節による差が大きいです。ですから冬はそれこそ朝8時頃まで薄暗いですし、夏至の頃は夜の9時・10時になってもまだ明るい、といったことが平気で起こります。子供にとってはですから、この詩で書かれたような体験をするのがひとつの季節感なのでしょう。シンプルで爽やかなイギリスの童謡。ETCETERAにある、R.A.モルガンのソプラノでも、Hyperionにあるリサ・ミルンの歌でも聴くことができます。

スティーブンソンの童謡集はこちらです。訳と絵を手がけられているよしだみどりさんが昔ロンパールームのお姉さんだったという略歴にもびっくりしましたが、訳詩も絵もとても素敵でした。

  子供の詩の園
   A Child's Garden of Verses

    ロバート・ルイス・スティーヴンスン著・よしだみどり訳・絵  白石書店

( 2006.07.15 藤井宏行 )


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