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Poet I Tsar'   Op.143-4  
  Shest’ stikhotvorenii Marini Tsvetaevoj
詩人と皇帝  
     マリーナ・ツヴェターエワの詩による6つの歌曲

詩: ツヴェターエワ (Marina Ivanovna Tsvetaeva,1892-1941) ロシア
    СТИХИ К ПУШКИНУ  Поэт и Царь (1931)

曲: ショスタコーヴィチ (Dimitry Shostakovich,1906-1975) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Potustoronnim
Zalom tsarej.
-- A nepreklonnyj
Mramornyj sej?

Stol’ velichavyj
V zolote barm.
-- Pushkinskoj slavy
Zhalkij zhandarm.

Avtora -- khajal,
Rukopis’ -- strig.
Pol’skogo kraja --
Zverskij mjasnik.

Zorche vgljadisja!
Ne zabyvaj:
Pevtsoubijtsa
Tsar’ Nikolaj
Pervyj.

あの向こう
皇帝たちが居並ぶホールで
-この強情そうな
大理石の像は誰だ?

えらく堂々としている
肩に金を飾っている
-偉大なプーシキンを押さえつけた
哀れむべき憲兵さ

作者の-問題をあげつらい
原稿を-検閲した
ポーランドからきた
野蛮な肉屋だ

もっときびしく見つめてやれ!
決して忘れるな
歌い手殺しの
皇帝ニコライ
1世


ツヴェターエワも他のロシア文学者同様、プーシキンに対する尊敬の念は厚かったのでしょう。1931年に「プーシキンに捧ぐ詩 STIKHI K PUSHKINU」という一連の詩を作っています。この詩はその中の一篇。王宮に居並ぶ過去の皇帝たちの肖像の前で、プーシキンの時代の皇帝ニコライ1世の大理石像を見つけ感慨にふけっているところでしょうか。プーシキンの早死に関して直接手を下したわけではないですが、やはり彼が若くして死ぬことになった状況を作り出したという点でこのニコライ1世は憎まれることになるのでしょうかね。そしてこの詩をショスタコーヴィチが取り上げたときに、このニコライ1世を誰と重ね合わせて見ているのかは何となく分かるような気もします。作者の問題をあげつらい、原稿を検閲した人とは...
この歌曲集の中でもシロフォンが賑々しく鳴って音楽的にも印象深い曲です。弦の厚い響きの上昇音と絡み合うこのシロフォンと声がとても美しく、私はこの歌曲集でこの曲を一番好みます。歌も怒りに震えているかのよう。この歌曲集の重要なメッセージを伝えてくれている歌であることは間違いないでしょう。

( 2006.06.30 藤井宏行 )


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