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Elégie    
 
エレジー  
    

詩: 不詳 (Unknown,-) 
      Elegy,on the death of Robert Emmet 原詩: Thomas Moore ムーア

曲: デュパルク (Eugène Marie Henri Fouques Duparc,1848-1933) フランス   歌詞言語: フランス語


Oh! ne murmurez pas son nom! Qu'il dorme dans l'ombre,
Où froide et sans honneur repose sa dépouille.
Muettes,tristes,glacées,tombent nos larmes,
Comme la rosée de la nuit,qui sur sa tête humecte la gazon;

Mais la rosée de la nuit,bien qu'elle pleure en silence,
Fera briller la verdure sur sa couche
Et nos larmes,en secret répandues,
Conserveront sa mémoire fraîche et verte dans nos coeurs.

おお、もうその人の名前をつぶやくな!この陰に眠らせよ
冷たく名誉もなく、その亡骸が眠るところに
静かに、悲しげに、冷たく、われらの涙は落ちる
その人の頭上の草を濡らす夜露のように

だが夜露は静かに涙を流しても
やがてその人の墓の緑を輝かせる
そしてわれらの涙も人知れず流れて
その人の思い出を胸の中でいつまでもみずみずしく保つのだ


アイルランドの民謡詩人、トマス・ムーア (1779-1852)が、若くして死んだ友人ロバート・エメット(1778-1803) を追悼して書いた詩のフランス語訳に付けた歌です(訳者は不詳)。ここに歌われたエメットは当時アイルランドを支配していたイングランドに対する反乱を企て、失敗して処刑されたのでした。
そのあたりが「冷たく、名誉もなく」というあたりに現れているのだと思うのですが、独立のための礎となった他の数多くの愛国者同様、後世に至るまで多くの人々の記憶に留められている、ということなのでしょうか。
ちなみにトマス・ムーアの原詩はこんな感じで、ほとんどデュパルクが付けたフランス語詩と一緒です。またこの原詩の方もアイルランドでは民謡になって歌われており、いくつかのサイトでMIDIを聴くことができます。デュパルクのものと比較して聴かれてみると面白いと思います。

 Oh,breathe not his name,
 Let it sleep in the shade,
 Where cold and unhonored,
 His relics are laid;
 Sad,silent and dark
 Be the tears that we shed,
 As night dew that weeps
 On the grave o'er his head.

 But the night dew that falls,
 Tho' in silence it weeps,
 Shall brighten with vendure
 The grave where he sleeps;
 And the tears that we shed,
 Tho' in secret it rolls,
 Shall long keep his memory
 Green in our souls.

( 2006.06.01 藤井宏行 )


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