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韮の葉    
  四つのうた ―柳川風俗詩より―
 
    

詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本
    思ひ出 (1911)  韮の葉

曲: 清水脩 (Shimizu Osamu,1911-1986) 日本   歌詞言語: 日本語


芝居小屋の土間のむしろに
いらいら沁みるものあり
畑の土のにほひか
昨日の雨のしめりか
あかあかと阿波の鳴門の巡禮が
泣けば…………ころべば…………韮の葉が…………

芝居小屋の土間のむしろに
ちんちろりんと鳴いづる
廉おしろひのにほひか
けふの入り日の顫へか
あかあかと 母のお弓がチヨボにのり
泣けば…………なげけば…………蟲の音が…………

芝居小屋の土間のむしろに
何時しか沁みて芽に出づる
まだありなしの韮の葉



( 2019.04.04 藤井宏行 )


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