Wenn ich in deine Augen seh' |
君の瞳を見つめると |
Wenn ich in deine Augen seh', So schwindet all' mein Leid und Weh; Doch wenn ich küße deinen Mund, So werd' ich ganz und gar gesund. Wenn ich mich lehn' an deine Brust, Kommt's über mich wie Himmelslust; Doch wenn du sprichst: ich liebe dich! Dan muß ich weinen bitterlich. |
君の瞳を見つめると 悲しさも辛さもみんな消えてなくなる; だけど君と口づけしたならば 僕はすっかり元気はつらつになるんだ 君の胸に顔を埋めると 僕は天にも昇る心地になる; だけど君が、愛してるわ!って言ったなら そしたら僕はひどく泣くことになる |
シューマンの歌曲集『詩人の恋』第4曲に用いられたことで名高い、ハイネの『歌の本』所収『抒情的間奏曲』の第4番目の詩です。ヴォルフの他にもフランツやファニー・メンデルスゾーン、ロシア語訳でグラズノフ、リムスキー=コルサコフの作曲があります。
詩としては、どうも相変わらずの自己陶酔と甘ったるさばかりが目立つようにも思えますが、各行末がaabb+ccddになっている「対韻」などなんとなくわざとらしく、パロディ的なものを感じるのはうがち過ぎでしょうか。しかし若きヴォルフの作曲は恋する若者のときめきと感動に満ちています。
演奏はゲンツの端正で若々しい歌唱が印象的。
( 2006.03.26 甲斐貴也 )