Botscaft Op.47-1 Fünf Lieder |
ことづて 5つの歌曲 |
Wehe,Lüftchen,lind und lieblich Um die Wange der Geliebten, Spiele zart in ihrer Locke, Eile nicht hinwegzufliehn Tut sie dann vielleicht die Frage,. Wie es um mich Armen stehe; Sprich: “Unendlich war sein Wehe, Höchst bedenklich seine Lage; Aber jetzo kann er hoffen, Wieder herrlich aufzuleben, Denn du,Holde,denkst an ihn.” |
吹けよ そよ風 穏やかに愛らしく 愛する人の頬に向かって やさしく遊べ 彼女の髪で 急いで逃げ去ったりせずに! そのときもしかしたら彼女はたずねるだろう あの哀れな私はどうしているかと 告げておくれ「終わりなきは彼の苦しみ 極めて深刻な彼の容態 しかし今 彼は希望を持てるようになり 再び驚くほど元気になった なぜなら君が やさしいひとよ あの者を思ってくれるからだ」と |
「5つの歌曲」作品47は1868年に出版。その第1曲「ことづて」(「たより」や「お使い」などとも)は、吹き渡るそよ風を思わせるピアノの三連符が印象的な美しい曲です。そのそよ吹く風に愛する人への想いを伝えて欲しいと願うこの詩の元になったのはペルシャの詩人ハーフィズの愛の詩ということで、エキゾチックな香りもほのかに感じられます。
冒頭のほんのり暗いメロディがやがて安らぎに満ちたように明るく終わるところが聴きどころでしょうか。非常にブラームスらしい傑作だと思います。
( 2002.02.25 藤井宏行 )