とほくゆく雁 |
|
とほくゆく雁 なにをなく じぐれもよひの夕空に 都の屋根をこえてゆく むれをはぐれた その一羽 さみしき羽音そよがせて たそがれ時をなきすぐる 恋病む身にはまさびしく その羽音にもさしまぐれ 涙ぐみたる夕空の 鳥のゆくへをながむなる |
|
( 2019.01.09 藤井宏行 )