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Proshchan'je   Op.91-4  
  Chetyre monologa na slova A. Pushkina
別れ  
     プーシキンの詩による4つのモノローグ

詩: プーシキン (Aleksandr Sergeyevich Pushkin,1799-1837) ロシア
      Прощанье  (1828)

曲: ショスタコーヴィチ (Dimitry Shostakovich,1906-1975) ロシア   歌詞言語: ロシア語


V poslednij raz tvoj obraz milyj
Derzaju myslenno laskat',
Budit' mechtu serdechnoj siloj
I s negoj robkoj i unyloj
Tvoju ljubov' vospominat'.

Begut, menjajas', nashi leta,
Menjaja vsjo, menjaja nas,
Uzh ty dlja svojego po`eta
Mogil'nym sumrakom odeta,
I dlja tebja tvoj drug ugas.

Primi zhe, dal'njaja podruga,
Proshchan'je serdca mojego,
Kak ovdovevshaja supruga,
Kak drug, obnjavshij molcha druga
Pred zatochenijem jego.

最後にあなたの素晴らしい姿を
私は心に抱いておこう
夢を心の力で呼び覚まし
喜びにあふれ、しかし震えて
あなたの愛を思い出すのだ

年月は流れゆく 私たちの時も
世の中はうつろう、私たちも変わっていく
この詩人にとっても あなたの記憶は、
墓場のたそがれのように色あせはじめている
あなたも私を忘れていくように

だが受け取ってくれ、遠くにいる友よ
私の心からの別れのあいさつを
ひとり残された未亡人のように
かつて詩人が牢に入れられるときに
この詩人を抱いてくれた友のように


最後の「別れ」も素敵な詩です。暖かい心の触れあいを描いたプーシキン。彼がペテルスブルクを追放されるときの思い出を詠んだものでしょうか(詩としては戻ってきてからの1828頃のもののようですが)。ショスタコーヴィチの音楽もここでは非常に安らかで、この難解な歌曲集の中では通俗的にさえも聴こえ、耳に残る優しいメロディになっています。2曲目の「あなたにとって私の名が何だ」と合わせて聴くと、ショスタコーヴィチの思いが痛いほど感じられるような気がします。

この「プーシキンの詩による4つのモノローグ」、現在そんなに入手が容易な録音が多くないので、私の聴けた録音も、クズネツォフ/セーロフの歌曲全集(Delos)にあるものと、レイフェルクス/スキギンのKoch盤の2種類のみです。
重々しい声で淡々と流れるように歌うクズネツォフ盤は2・4曲に優れ、叙情的にそして表情豊かに歌っているレイフェルクス盤は1・3曲が私には好ましかったです。どちらか1枚取れといわれたらレイフェルクスを取りますが、このKoch盤、今や入手が難しいかも知れません。

( 2006.03.11 藤井宏行 )


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