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La cigale et la fourmi    
  Six Fables de La Fontaine
セミとアリ  
     6つのラ・フォンテーヌの寓話

詩: ラ・フォンテーヌ (Jean de La Fontaine,1621-1695) フランス
    Fables  La cigale et la fourmi

曲: オッフェンバック (Jacques Offenbach,1819-1880) フランス   歌詞言語: フランス語


La cigale,ayant chanté
Tout l'été,
Se trouva fort dépourvue
Quand la bise fut venue.
Pas un seul petit morceau
De mouche ou de vermisseau.
Elle alla crier famine
Chez la Fourmi sa voisine,
La priant de lui prêter
Quelque grain pour subsister
Jusqu'à la saison nouvelle.
«Je vous paierai,lui dit-elle,
Avant l'août,foi d'animal,
Intérêt et principal.»
La Fourmi n'est pas prêteuse;
C'est là son moindre défaut.
«Que faisiez-vous au temps chaud?
Dit-elle à cette emprunteuse.
-- Nuit et jour à tout venant
Je chantais,ne vous déplaise.
-- Vous chantiez? j'en suis fort aise.
Et bien! dansez maintenant.»

蝉は、歌っていた
夏の間じゅう
それで何にもなくなってしまった
北風が吹いた時には
ほんのひとかけらさえも
ハエやウジ虫の
そこで物乞いに出かけた
隣のアリのところに
貸してくれるようにと頼みに
生き延びるためのいくらかの穀物を
新しい季節が来るまで
「あなたにお支払いします」セミは言った
八月には 生き物の信用にかけて
元金に利息をつけて」
だがアリは良い貸し手ではない
それがそいつの欠点なのだ
「あんさん 暑いとき何をしてまったか?」
アリはこの借り手に言った
「夜も昼も やって来た連中を
 喜ばせようと 歌を歌っておりました」
「歌ってまったんか?そらよろしなあ
 ほな!今 踊ったらよろし」

これも有名な寓話で、とても多くの作曲家が曲をつけています。オッフェンバックのメロディは私の訳が他の作曲家のものよりも一番良く合っているでしょうが。軽やかな伴奏に伸びやかな歌声がとても美しいです。最後はアリの旦那の皮肉に満ちたウキウキするようなワルツが見事。セミの恐縮し切ったような重いメロディとの対比が面白く、くるくる変わる音楽にオッフェンバックのメロディの引き出しの多さが堪能できます。ブルーノ・ラプラントの歌声がじつに見事です。

( 2018.12.28 藤井宏行 )


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