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V poljakh pod snegom i dozhdem…   Op.62-2  
  Shest’ romansov na slova U. Raleja,R. Bernsa i Shekspira
雪と雨の降る野原でも...  
     ローリー・バーンズ・シェイクスピアによる6つのロマンス

詩: マルシャーク (Samuil Yakovlevich Marshak,1887-1964) ロシア
      Oh wert thou in the cauld blast 原詩: Robert Burns バーンズ

曲: ショスタコーヴィチ (Dimitry Shostakovich,1906-1975) ロシア   歌詞言語: ロシア語


V poljakh pod snegom i dozhdem,
Moj milyj drug,moj bednyj drug,
Tebja ukryl by ja plashchom
Ot zimnikh v’jug,ot zimnikh v’jug.

A esli muka suzhdena
Tebe sud’boj,tebe sud’boj,
Gotov ja skorb’ tvoju do dna
Delit’ s toboj,delit’ s toboj.

Puskaj sojdu vo mrachnyj dol,
Gde noch’ krugom,gde t’ma krugom,
Vo t’me ja solntse by nashel
S toboj vdvoem,s toboj vdvoem.

I esli b dali mne v udel
Ves’ shar zemnoj,ves’ shar zemnoj,
S kakim by schast’em ja vladel
Toboj odnoj,toboj odnoj!


O,wert thou in the cauld blast
On yonder lea, on yonder lea,
My plaidie to the angry airt,
I'd shelter thee,I'd shelter thee.

Or did Misfortune's bitter storms
Around thee blaw,around thee blaw,
Thy bield should be my bosom,
To share it a',to share it a'.

Or were I in the wildest waste,
Sae black and bare,sae black and bare,
The desert were a Paradise,
If thou wert there,if thou wert there.

Or were I monarch of the globe,
Wi' thee to reign,wi' thee to reign,
The brightest jewel in my crown
Wad be my queen,wad be my queen.

雪と雨の降る野原で
いとしいひと 気の毒なひとよ
あなたを匿ってあげたい このコートで
冬の吹雪から 冬の吹雪から

そしてもしも 苦悩が定めなら
あなたの運命の あなたの運命の
私はあなたの悲しみをすっかり
あなたと分かち合おう あなたと分かち合おう

陰鬱な谷間へと入って行き
そこではまわり中が夜で まわり中が闇でも
その闇の中 太陽を私は見出すだろう
あなたと一緒に あなたと一緒に

そしてもしも私に財産として与えられたとしても
この地球全体が この地球全体が
私が得られた幸福というのは
あなただけだ あなただけなのだ!


冷たい嵐の中に君がいるのなら
向こうの野原の中 向こうの野原の中
ぼくのコートを吹き付ける方向にかざして
君を守ろう 君を守ろう

もしも不運の苦い嵐が
君に吹き荒れるなら 君に吹き荒れるなら
ぼくの胸が君を守ろう
不運を分け合うのさ 不運を分け合うのさ

荒涼とした荒地にぼくがいたとしても
どんなに暗く寂しくても どんなに暗く寂しくても
そこは天国になるのさ
君がそこにいるなら 君がそこにいるなら

もしもぼくがこの世の支配者だったとして
君と一緒に支配しても 君と一緒に支配しても
王冠に輝く最大の宝石は
わが女王たる君なのだ わが女王たる君なのだ


「イギリス詩人の詩によるロマンス」その2曲目はとても美しい愛の詩です。曲は地味地味なのであまりインパクトは感じないのですが、詩は読んでみるとかなり気合が入っています。というのもこの詩、ロバート・バーンズの最後の作品のひとつなのだそうですが、病に倒れた詩人とその家族を献身的に助けた女性、ジェシー・ルウォーズ(Jessy Lewars 1778-1855)に捧げられているのです。たいへん情熱的な愛の歌。しかも献身的な心意気が美しいです。

この詩に曲を付けたショスタコーヴィチも、この曲は妻のニーナに献呈しています。彼の奥さんとの関係は日本のそれみたいに子をかすがいとした淡白なもので、いわゆるステレオタイプの西欧の夫婦がするみたいに毎日こんなキザなセリフを語っていたわけではないようですが...

この詩はまたドイツ語にも訳されて、メンデルスゾーンがソプラノとバリトンの2重唱曲にもしているようです。探したのですがまだ録音は見つからず。聴けてはいないのですが比較は興味深いところです。メンデルスゾーンとショスタコーヴィチの競作とは。

この詩をロシア語に訳したのは第3・4・6曲と同じサムイル・マルシャークです。やはり原詩とは違うニュアンスもそこかしこにあるようですが、これは私の翻訳能力の限界でほとんど英語の原詩より訳さざるを得ませんでした。 (2006.03.04)

最初の記事のアップから10年がたち、その間にマルシャークもパステルナークも著作権が切れましたので、ロシア語の原詩からの翻訳も掲載することに致します。ロシア語の知識は乏しいゆえ、お粗末な訳詞かと思いますがお許しください。上にロシア語対訳、今までの英語対訳は下に持って行くことと致します。

( 2006.03.04 藤井宏行 )


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