Du bist wie eine Blume Op.25-24 Myrten |
君は花のように ミルテの花 |
Du bist wie eine Blume, So hold und schön und rein; Ich schau dich an,und Wehmut Schleicht mir ins Herz hinein. Mir ist,als ob ich die Hände Aufs Haupt dir legen sollt, Betend,daß Gott dich erhalte So rein und schön und hold. |
君は花のように 優しく美しく清く 見つめれば切なさが 胸をあつく焦がす この手を君の頭に添え 神に祈ろう 君よいつまでも 清く美しく優しくあれと |
ハイネ自選の定本詩集『歌の本』に収められた詩集『帰郷』の47番目の詩で、無題の番号のみの詩のため、普通第1行目をタイトルに用います。四行二連の素朴な恋愛詩で、小唄の歌詞として書かれたものと考えていいでしょう。事実歌曲の歌詞として非常に人気の高い詩で、一説によるとその数は250曲にも上るとのことです。
中でも名高いのがシューマンの歌曲集『ミルテの花』に収められた曲で、その美しさと幸福感は筆舌に尽くしがたく、どちらかというと甘ったるい素朴な歌詞に絶大な説得力を与えていると思います。この曲はシューマンが愛妻クララと結婚した1840年、いわゆる「歌の年」に代表作の歌曲集『詩人の恋』『女の愛と生涯』2つの『リーダークライス』などと共に生み出されたものです。これを聴いていると、今はもう遠い過去にこの世にいない二人の愛と幸せが鮮やかに蘇ってくるような気がします。
演奏は定番中の定番ですが、フィッシャー=ディースカウ&エッシェンバッハ、シュライヤー&シェトラーが好きです。
( 2006.02.26 甲斐貴也 )