わたしは帰って行くであろう 前奏曲抄 |
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わたしは帰って行くであろう 火山灰の積もっている谷の奥に 黄鶲(きびたき)が静かな巣を編んでいる樅の林に わたしは小さな丸木小屋を組んで住むであろう きのこの生えた苔の上に 伊吹虎の尾に秋の終りの蜂が群れている崖の下に わたしは死んで行くであろう 落葉松(からまつ)の月夜の霧につつまれて わたしたちの上に積み重なった歳月の重さに喘ぎながら |
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前奏曲抄
( 2018.10.20 藤井宏行 )