Es blasen die blauen Husaren Liederstrauss |
青服の軽騎兵がラッパを吹き 歌曲集「歌の花束」 |
Es blasen die blauen Husaren, Und reiten zum Tor hinaus; Da komm ich,Geliebte,und bringe Dir einen Rosenstrauß. Das war eine wilde Wirtschaft! Kriegsvolk und Landesplag! Sogar in deinem Herzen Viel Einquartierung lag. |
青服の軽騎兵がラッパを吹き 街の門から外に出た; そこで僕はやって来た、恋人よ 君に薔薇の花束を渡しに まったく大変な騒動だった! 兵隊たちと国難と! そしてお前の胸にさえ たくさん泊っていったんだ |
「帰郷」の第47番の詩。この詩はこれだけ読んでも「軽騎兵」、「私」、「恋人」、「あなた」の関係がわかりません。そこでこのひとつ前の46番目の詩を読むと、明日は軽騎兵がやってきて自分は恋人に捨てられる・・・という男の詩になっていて、こちらはその災難が過ぎた後の詩ということがわかります。それにしても、こんな詩に軽快な曲をつけて、この歌曲集の終曲にするとはずいぶん皮肉というか、過剰に自虐的な選択に思えます。これには後年の鬼才歌曲作家ヴォルフの片鱗が見えるようです。
なおこの詩には「歌の花束」全7曲中唯一、他の作曲家の作品が見当たらないのも面白いところです。
( 2006.02.05 甲斐貴也 )