TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Mein Liebchen,wir saßen beisammen    
  Liederstrauss
恋人よ、僕らは一緒に座っていたね  
     歌曲集「歌の花束」

詩: ハイネ (Heinrich Heine,1797-1856) ドイツ
    Buch der Lieder - Lyrisches Intermezzo(歌の本-抒情小曲集 1827) 42 Mein Liebchen,wir saßen beisammen

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Mein Liebchen,wir saßen beisammen,
Traulich im leichten Kahn.
Die Nacht war still und wir schwammen
Auf weiter Wasserbahn.

Die Geisterinsel,die schöne,
Lag dämm'rig im Mondenglanz;
Dort klangen liebe Töne,
Und wogte der Nebeltanz.

Dort klang es lieb und lieber,
Und wogt' es hin und her;
Wir aber schwammen vorüber,
Trostlos auf weitem Meer.

恋人よ、僕らは一緒に座っていたね
軽やかな小舟でくつろいで
静かな夜、僕らは
水路を先へと進んでいった

美しい精霊の島が
月光におぼろに照らされていた
そこでは愛らしい楽の音が響き
霧が舞い踊り揺れていた

響きは愛らしく、さらに愛らしく
そこここに霧の舞いは揺れる
だが僕らは通り過ぎ
望みもなしに沖へと進んでいった


この、ベックリーンの「死の島」を思わせるような夢(と思われる)の情景を描いた詩には、”Meerfahrt”の題でメンデルスゾーン、ブラームス、フランツ、マクダウェルなども作曲しています。「抒情的間奏曲」の42番目の作。
若きヴォルフの作曲は意外にも明るく軽快で、神秘的な雰囲気は皆無です。

( 2006.02.05 甲斐貴也 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ