Mein Liebchen,wir saßen beisammen Liederstrauss |
恋人よ、僕らは一緒に座っていたね 歌曲集「歌の花束」 |
Mein Liebchen,wir saßen beisammen, Traulich im leichten Kahn. Die Nacht war still und wir schwammen Auf weiter Wasserbahn. Die Geisterinsel,die schöne, Lag dämm'rig im Mondenglanz; Dort klangen liebe Töne, Und wogte der Nebeltanz. Dort klang es lieb und lieber, Und wogt' es hin und her; Wir aber schwammen vorüber, Trostlos auf weitem Meer. |
恋人よ、僕らは一緒に座っていたね 軽やかな小舟でくつろいで 静かな夜、僕らは 水路を先へと進んでいった 美しい精霊の島が 月光におぼろに照らされていた そこでは愛らしい楽の音が響き 霧が舞い踊り揺れていた 響きは愛らしく、さらに愛らしく そこここに霧の舞いは揺れる だが僕らは通り過ぎ 望みもなしに沖へと進んでいった |
この、ベックリーンの「死の島」を思わせるような夢(と思われる)の情景を描いた詩には、”Meerfahrt”の題でメンデルスゾーン、ブラームス、フランツ、マクダウェルなども作曲しています。「抒情的間奏曲」の42番目の作。
若きヴォルフの作曲は意外にも明るく軽快で、神秘的な雰囲気は皆無です。
( 2006.02.05 甲斐貴也 )