MacMETHの使い方

MacMETHとは

 早速MacMETH(*1)を触ってみましょう!と言いたいところなのですが,このMacMETH,かなり古いものであり,またそのせいなのか,ある意味では面白いんですが,言い換えればかなり癖があるのだったりします。
 まず,古い,という点から言及しますと,これ,オリジナルは68000用に作成された様で,実際,基本的なターゲットは68000になっています。ですから,PowerMacで使おうとすると,68KEmulationを使って動作させることになる,という問題を持っています。手元の8500では何とか動作しているのですが,幾つか不具合が出ています。(これがPowerMacであるために生じているのか,それともMacOS8上で動かしているなどのそれ以外の要因により生じているのか,はわからないのですが。)(*2)
 次に,癖がある,という点ですが,コンパイルやリンクをMacMETH独自のコマンドラインから指示してやる必要がある点が,今回使い方を説明する分には一番大きいところです。他にも,やたらカスタマイズが出来たり),ToolBoxの呼び出し方が簡単ではなかったり,それと対になった独特の関数群,などいろいろあるのですけど,これらについては実際にMacMETHを使ってProgramを書きながらぼちぼち触れて行こうかと思うので,ここでは言及しません。

 さて,では,実際にMacMETHを触って見ることにしましょう。
 上に書いたように,私がMacMETHを使っている環境はPowerMac8500+MacOS8で,幾つかの不具合が発生しています。従って,その不具合を避けるために,幾つかの機能は使わないでMacMETHを触っています。この不具合が,別の環境でも(特に68KMacで)発生するとは限らないので,その辺り興味があれば色々試してみてください。

*1) Downloadはここ、ホームページはここ
*2) 現在では更にClassic環境の問題があるので,特にIntelMacの場合はそもそも動くものやら...。

編集

 MacMETHのEditorにはEditとEdit2があります。が,家ではどうもEditが動作しません。そこで私はEdit2を使っています。
 Edit2(もしくはEdit)を起動するには,直接起動する方法もありますが,MacMETH本体のFileメニューからEdit2(とEdit)を選ぶのが一番簡単だろうと思います。で,起動しますと,

と,前回編集したファイルが勝手に開きます。Edit2の使い方自体は,ごく普通のEditorとさほど違わないので,特に説明することはないかと思いますから,これで説明を終わります。

コンパイル

 次は,拵えたソースのCompileです。
 Compilerも二種類用意されています。CompileとCompile20です。Edit2と同じくFileメニューの中にそれら二つの項目があります。で,好きな方を選んでCompileの作業をするわけですが,私の環境では,Compile20は動きません。CompileとCompile20は,Compileの方が68000のコードを吐くのに対して,Compile20の方が68020のコードを吐く点が違うようです。ですから,Compile20の方を使った方が良いのでしょうけれど,私の環境では残念ながら使えないので,Compileの方を使って説明します。
 で,FileメニューからCompileを選びますと,

の様に,プロンプトが表示されます。
 ここにCompileするソースファイルを入力します。入力する文字列は,MacMETHの置かれたフォルダからの相対PATHになります。例えば,More Examplesフォルダ内のMandelbrot.MODをコンパイルする場合,

と入力します。
 Compileを開始するには,更にリターンキーを押します。すると,
とCompileがされてそれぞれ".OBM"と".RFM"の付いたファイル二つが作成されます。(もちろんCompileに成功すればです。)
 うまく行ったら,プロンプトの少し下の辺りをクリックしてください。MacMETH本体に戻ります。
 以上がCompileの手順です。

リンク

 さて,Compileが出来たらそれで終わりか,というとそうではないのです。実際に動かしたりStandAloneのアプリケーションを作成するには更にLink作業をする必要があります。
 EditおよびCompileと同じく,LinkもFileメニュー内に項目があるのが判るでしょう。Linkに関してはこれしかないので,早速選択しましょう。するとCompileと同様,

の様にプロンプトが表示されます。ここで入力するのは,Compileで作られたファイルの内,".OBM"の拡張子が付いたファイルのMacMETHの置かれたフォルダからの相対PATH名に"/A"を加えたものです。最後の"/A"はStandAloneアプリケーションの作成を指示するOptionです。つまり今回は,

と入力します。
 入力したらリターンキーを押します。すると,

と表示されますが,ここでは,リソースの指定をします。今回は,リソースファイルは使わないので,ここには何も入力せずにリターンキーを押します。(つまり,最初に入れられているファイル名を消去してからリターンキーを押します。)と,

と表示されます。ここで,アプリケーションのシグネーチャーを指定します。今回は,"????"のままでリターンキーを押します。リターンキーを押すと,

とずらずらとメッセージが表示されます。これで,StandAloneのアプリケーションが作成されます。(もちろんうまく行けばです。)
 MacMETH本体に戻るには,Compile同様,プロンプトの下の辺りをクリックします。
 以上がLinkの手順です。

 大体この三つがMacMETHの基本的な機能になるかと思います。この三つが使えるようになれば,サンプルコードを見ながら弄るには十分ではないかと思います。ぜひとも触ってみてください。