2012/04/19 ナショナル・フットボール・ミュージアム |
フットボールの母国イングランドのナショナル・フットボール・ミュージアム(The National Football Museum)の移転にまつわる話です。
そもそもナショナル・フットボール・ミュージアムは、2010年にランカシャーのプレストン市にあるディープデール(Deepdale)・スタジアムに開設しました。ディープデールはイングランド・リーグの創立メンバーでもあるプレストン・ノース・エンドのホーム・スタジアムであり、同ミュージアム開設時点には「イングランドで最も長期間に渡って試合が行われてきたスタジアム」という理由が大きかったそうです。
ところが、このナショナル・フットボール・ミュージアムがプレストンからマンチェスターに移転することが決まり、ディープデールのミュージアムは2010年4月にクローズされました。マンチェスターの方は2012年6月に開店する計画です。
↑ディープデール(プレストン・ノースエンドのホームスタジアム)
プレストン市民の怒り
このミュージアム移転に際して、プレストン市民は猛反対したことは言うまでもありません。「何故わが町からミュージアムを取り上げるのだ?」「何故マンチェスター?」という怒りは、マンチェスター市の新ミュージアムが開店する直前の2012年2月になっても続いています。
実際に、元「ナショナル・フットボール・ミュージアム」を私が訪れた時に、地元市民(プレストン・ノースエンドのファンらしき)人がいきなり近寄ってきて、「なんでマンチェスターなのかいまだに納得できない。マンチェスターには既にオールド・トラっフォードのミュージアムがあるじゃないか。市内に2つ目のミュージアムを作る意義などない。」と、怒りをぶちまけていました。
この移転に際して、元「ナショナル・フットボール・ミュージアム」の方に展示物を寄贈した元スター選手の少なくない人々が同様に怒りを表明し、「マンチェスターの新ナショナル・フットボール・ミュージアムに展示するために寄贈したわけではない。」と、展示物の返還を求めたそうです。結局、「移転拒否」された展示物が一部、プレストンに残り、それ以外はマンチェスターに移転することになったそうです。
ディープデールの元「ナショナル・フットボール・ミュージアム」だった建物(2012年2月時点)↑
マンチェスター市の新「ナショナル・フットボール・ミュージアム」
マンチェスター市の主要鉄道駅の一つであるビクトリア駅のすぐ隣にあるガラス張りのビルが、新ナショナル・フットボール・ミュージアムとなります。
マンチェスター近隣の人々の話によると、「プレストンは市そのものもフットボール・クラブもマンチェスターに比べて小さいため、ナショナル・フットボール・ミュージアムの集客人数が少なくて問題となった。移転は仕方ない措置だった」とのことです。
↑マンチェスター市の新「ナショナル・フットボール・ミュージアム」予定地(2012年2月時点)
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