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2011/10/07 選手が試合に出るのを拒否する理由

最近は、選手個人の特殊な事情で「試合に出るのを拒否する」ことがクローズアップされるようになりましたが、選手が「試合に出るのを拒否する」事象はかなり前からありました。その理由は、明らかに移籍希望の選手が、移籍先のチームでカップ戦の出場資格を失わないため、というものです。

1シーズン中に移籍した選手は、元のチームでカップ戦に出場した場合には、移籍先のチームではそのカップ戦には出場できません。具体的には、ある選手がチームAでFAカップ戦に出た後でチームBに移籍した場合、BのFAカップ戦には出場できないというものです。ヨーロッパのカップ戦でも同じルールがあり、チームAでCLに出場した選手は、移籍先のチームCではCLには出場できません。この、カップ戦の出場資格を失うことを「Cup-tied(カップ・タイド)」と言います。

そのような理由から、この現象は、特にシーズン開始直後から夏の移籍期間中(8月31日まで)、1月の移籍期間中(1月31日まで)に多く発生しています。

尚、昨年からUEFA管轄下のカップ戦(CLとEL)に関しては出場資格のルールが緩和されたため、1月に移籍した選手が2つのカップ戦に別々のチームで出場することが可能となりました。具体的な例は、2010年1月にリバプールからチェルシーに移籍したフェルナンド・トーレスが、リバプールでELに出場し、チェルシーでCLに出場しました。これは、一昨年からCLとELは「違うカップ戦」となったためです。以前は、UEFA管轄下の2カップ戦(1999年までは3カップ戦)は全てが「ひとつのカップ戦」として定義されていました。旧ルール下では、昨年のトーレスは移籍後のチェルシーではCLに出場できなかったというわけです。

ちなみにUEFAの新ルールの細かい例外として、「移籍元のチームが出場しているカップ戦は同じカップ戦とみなす」というものがあります。具体例としては、2010年1月にアヤックスからリバプールに移籍したルイス・スアレスがあります。スアレスは、移籍前にはアヤックスでCLに出場しましたが、移籍後のリバプールでのEL戦には「出場資格なし(Cup-tied)」でした。これは、アヤックスがCLのグループラウンドで3位に終わったためELにスイッチしたことが理由で、つまり、スアレスにとっては「移籍元のアヤックスでELに出場した」ものとみなされ、移籍先のリバプールではELに出られなくなったというわけでした

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