プレミアリーグ観戦ガイド

観戦記
2010/12/28 マンチェスターシティ 4-0 アストンビラ

この時は、アンフィールドでウルブス戦とボルトン戦の2試合を見るためにリバプール市内のホテルに滞在していました。その前に、通算3度めとなるシティ対ビラの試合を見に行きました。



 ■リバプール到着

12月27日、ロンドン経由でほぼ定刻にマンチェスターに降り立った。18:15、荷物を手にリバプールへ向かう。バスは30分後に来る。電車の方は、もう直通がないと言われたのでどちらにしようかと迷ったが、電車で行くことにした。結果的に、この選択は間違いだった。

マンチェスター空港

よくよく考えると、これまでマンチェスター空港からリバプールまで電車で行った時には、多かれ少なかれ苦労したような記憶が浮かんできた。バスの方にすべきだったと後悔したのは、乗り換え駅のピカデリーに着いた時だった。

ピカデリーで降りると、案内板に、リバプール行きは同じホームに来ると書かれていた。しかしその横にリバプール行きが26分遅れだという情報が書かれていた。あらら...この時点で、空港でバスを待った方が早く着く計算になっていた。仕方ない。ここまでくれば待つしかない、と思った。

待つこと20分、時々そのインフォメーション掲示板を見ると、遅れの時間が微妙に増えて行く。最終的に37分遅れで到着した。荷物を抱えてうろうろ歩きまわることもできず、ホームでじっと立って待っていた間、ちょっと疲れてしまった。

めでたく電車が来て、座ることが出来て、リバプールのライム・ストリート駅に着いたのは20:45になっていた。ホテルにチェックインし、そのまま眠ってしまった。

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 ■マンチェスターへ

12月28日、今日は マンチェスターシティ対アストンビラの試合を見に行くことになっていた。昨夜、マンチェスター空港からリバプール市まで来て、その翌日にマンチェスター市内に日帰りで出かけるというのは一見無駄なように聞こえるが、スーツケースを持っている時にホテルを変えるよりは遥かにラクだ。しかも、前回マンチェスター空港近辺に宿泊した時には、結果的にリバプールが負けたので縁起が悪い。

9:00出発。前回はコーチで行ったが、今回は(時間帯によっても異なるが)、電車の方が便がよさそうだったので電車で行くことにした。日帰りの往復切符は£9.70だった。9:22の電車に乗ってピカデリーへ向かう。電車はがらがらに近く、特に問題もなく定刻の10:09に着いた。ホームに降りると、昨夜空港からの電車の乗り換えで30分電車を待ったホームだった。「デジャブ」というか、文字通り12時間も経たないうちに同じ場所に来たわけだ。

ともあれ、ピカデリーの駅を出て、さっそくツーリスト・インフォメーション・センターに向かう。この時、ぼけていてカメラを忘れてきたことに気付いた。まあ、マンチェスターはもう10回以上来ている町だから、今さら写真に撮りたいような場所はないだろう、と思い、あっさりあきらめた。諦めなかったとしてもカメラを取りに戻る気にはならなかっただろうが。

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 ■勝手知ったる?

この町はすっかり道も覚えた。ピカデリーの駅からツーリスト・インフォメーション・センターへの道はもう、誰にも聞かずに行ける、と自信満々で歩いてタウン・ホールに向かう。

あれ?インフォメーション・センターに入ろうとすると、なんだか様子がおかしい。閉まっているように見える。むむむ、良く見るとドアに張り紙がされており、場所が移ったという掲示だった。なんと!

マンチェスターのツーリスト・インフォメーション・センターに初めて来たのは20年以上前のことだったが、これまではずーーーっと同じ場所にあった。リバプールのツーリスト・インフォメーション・センターは20年のうちに4回も場所が変わり、その度に「まずはツーリスト・インフォメーション・センターの場所探し」で苦戦した記憶が浮かんできた。そもそも、ツーリスト・インフォメーション・センターというのは地元の人は利用しないからだろうか、道を聞いても知らないと言われることが多いため、探すのが余計に厄介だ。

掲示板を見ると、移転先はピカデリーのすぐ近くのようだ。なんと。しかたなく、来た道を戻った。

ピカデリー付近で、手当たり次第、「ツーリスト・インフォメーション・センター」の場所を聞いて回ったが、案の定、知らないという回答が戻ってきただけだった。困惑していたところで、いったんあきらめてトイレに行くためカフェに入った。そこでコーヒーを飲んでいると、ふと案が浮かんだ。その辺に掲示されている地図を見れば書いてあるだろう。(案というほどでもないが)。

MOSI

コーヒーを飲み終えてそのカフェを出る。見るとやはり地図に場所が書かれていた。その通りに歩くと、比較的簡単に行きつけた。やった!ツーリスト・インフォメーション・センターを探し当てるのにこんなに苦労したのはずいぶん久しぶりだった。前回、レスターに行った時が最後だっただろうか。

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 ■ツーリスト・インフォメーション・センター

ともあれ、ツーリスト・インフォメーション・センターの中に入る。係員らしき人は一人だけで、あとは観光客がパラパラといた。その係員のところに質問しに行くと、タッチの差で別のグループがその係員を捕まえてしまった。すぐ隣で待つ間、会話が聞こえてしまったのだが、このグループはオールド・トラッフォードに行こうとしているらしい。係員のお兄さんは、丁寧ながらも淡々と説明していた。

そのオールド・トラッフォードのグループが行ってしまったところで、さっそくお兄さんを捕まえる。シティ・オブ・マンチェスター・スタジアムへはもう4回、行っているので自力で行ける自信はあったが、なにしろ今回はツーリスト・インフォメーション・センターの場所すら変わってしまったので、念のため、変更されている可能性もあるため、行き方を尋ねることにした。これは、実は正解だった。

シティ・オブ・マンチェスター・スタジアムに行きたいのだが、と言った途端に、その係員のお兄さんは、口元にやさしい笑顔が浮かび、それまでのよそよそしさが消えて、ものすごく親切な口調になった。まずはスタジアムへの行き方を丁寧に教えてくれて「近いんだけど、試合の日だから通常より時間がかかるので」とにこにこ笑っててきぱきと答えてくれた。



続いて、試合開始まで少し時間があるので、ここから歩いて回れるミュージアムなどの観光名所を教えてほしい、とお願いする。すると、お兄さんは、「そうですね。試合は15:00開始だから、バスは14:00か、早くとも13:30で十分なので。」と言って、お勧めの市内観光名所を地図にマークしてくれた。Art Galleryが最も近くてまずはお勧めで、次はPeople's History Museumが「この町の市民の歴史を掲示しているところだから特別に面白い」と熱心に勧めてくれた。それ以外に5箇所ほどマークしてくれて「People's History Museumからバス乗り場まで歩く途中の通り道に、非常に面白い建物がある」と順路を示してくれた。ものすごく親切だった。お礼を言ってさっそく観光を開始することにした。

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 ■市内観光

まずは、先程のスカイブルーのお兄さんから勧められたArt Galleryに行くことにした。入ってみると、受付にいたスタッフが非常に親切で感じよいし、展示物もそこそこ面白かった。これはあのお兄さんのアドバイス通りに動くと良いかもしれない、とピンと来た。(シティ・オブ・マンチェスター・スタジアムでなくオールド・トラッフォードに行きたいと言っていたら、ここまで親切なアドバイスをくれただろうかと想像しながら)、教えられたとおり、地図を見ながら道に沿って歩くことにした。

歩くうちに、カメラを忘れてきたことを強烈に後悔したほどに、面白い建物に遭遇した。People's History Museumはスカイブルーのお兄さんが強烈に推薦していたが、その通りでとても面白かった。マンチェスター市民の歴史が展示されている。綿織物工場の労働者からモダンな労働党支持者の町へと変化した様子がよくうかがえた。

そもそもマンチェスターのミュージアムは産業革命がらみの展示が多く、非常に面白い。MOSIは今後も何度も訪れたいし、(今回は時間もなかったし、お兄さんのアドバイスの中にはなかったので行かなかったが)、今回訪れた場所も非常に気に入ってしまった。すごいと思ったのは、あのお兄さんは、私が質問した時の時間からスタジアムに向かうまでの空き時間から、所要時間を計算して、無理なく回れる場所をマークしてくれたのだった。その通りに回ってみると、結果的に試合開始までにちょうどよい時間にピカデリーに戻ってきたという結末だった。途中、大聖堂もなかなか感動したし(そもそもマンチェスターに大聖堂があること自体、初めて知った)、街中の教会も良かった。またマンチェスターを好きになった。

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 ■シティ・オブ・マンチェスター・スタジアム

さて観光を終え、13:30近くになったところで216のバスに乗ってスタジアムに行くことにした。2階建てバスの2階に座ると、スカイブルーのシャツを着たグループが何組か乗り込んできた。まあシティ・オブ・マンチェスター・スタジアムはバスから見逃す恐れは全くないが、試合の日は特にシャツについて行けば良いので簡単だ。

13:50着。まずはスタジアムを一周する。ぼちぼちファンが集まってきていた。クラブショップに入り、バーゲン品を買う。

ふと見るとメインゲートの裏側に、バーがある。早く来たファンがみなそのバーで大きなジャイアント・スクリーンを見ながらわいわいやっていた。これは新しくできたバーらしい。これまでは試合前にパブがないので早く中に入って高いスタンド裏のパブを利用していたのだが、ゲートが開くまでの間、こうやってファンが集まってわいわいやりながら一杯飲むというのは良いことだ。残念ながら、そのバーは満員だったので入るのを諦めた。

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 ■スポーツシティのパブ

メインゲート付近まで戻り、トイレに入るためにスポーツジムのある建物に入ると、そこの中もバーになっていた。急に気が変わって、ここで一杯飲むことにした。

カウンターは長い列が出来ていて、注文してお金を払ってから、隣のカウンターに行って飲み物を受け取るという、流れ作業的なシステムになっていた。最初の窓口でジントニックを頼もうとすると「あまり複雑な飲み物はない」と言われる。うむ。スタンド裏のバーでもジントニックがなかったことをふと思い出した。リバプール市内のパブでは、ジントニックがないパブなど考えられないのだが。マンチェスター市内ではジントニックはあまり人気がないのだろうか。しかたないのでワインを頼むと「ワインならある」との返事。

テーブルはスカイブルーのファンでいっぱいだったが、そのうちのひとつにたどり着くと、気持ち良くスペースを開けてくれた。親切だ。マッチプログラムを見ながらワインを一杯飲んだところで、ちょうど良い時間になったので、ゲートに入ることにした。

ゲートをくぐる。チケットを購入した時に、アクセスカード(と言う名前のスマートカード)は、表面に2009-10季と記載されている、要は昨季のカードだったが、それで問題ないと言われた。リバプールでも2008年に発行されたカードをそのまま使い続けているので、大丈夫だろうと思ったのだが。その通り、何の問題もなく入ることが出来た。

今回は(3階席はさすがに高所恐怖症の私には辛いので)端の方しか空いてなかったのだが、2階席にした。入ってみると、端とは言え、決して視界は悪くなかった。ふむ、これからも2階席にしようと思った。また来ることがあれば、だが(と、思わず苦笑してしまった)。

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 ■シティ対ビラ

両チームのスターティング・ラインナップの発表の後で、サブの発表があった。シティの方のサブとして、ガレス・バリーの名前では、アウェイ・スタンドから特大のブーが飛んだ。まあ、仕方ないかもしれないが、しかし何故か、ジェームス・ミルナーに対してはあまり反応しなかった。

試合開始前に、「今年一年、亡くなった方のために」と一分間の拍手があった。レフリーが笛を吹く前から既に大きな拍手が起こり、最後まで盛大な拍手で終わった。のは良かったのだが、私の前の列の若い男性のグループが、拍手の最中に大爆笑している。これは良くないと思った。これまで、黙とうでなくてよかったという場面を見たのはこれが初めてだった。残念なことだ。

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 ■試合

試合は4-0でシティが一方的に勝った。4点も入ったので面白かったことは確かだが、しかしビラのひどさは他人事ではないような気がした。アウェイ・スタンドのファンは終始声援を送っていたが、ピッチの上の反応は非常に鈍い(というか、ないに等しい)ものだった。これも他人事ではなく感じてしまった。

ちなみに、もう試合が決まった頃に、シティのJoleon Lescottが我々のスタンドの目の前でミスをした。思わず私はブーっとしそうになり必死にこらえた。つい元ブルーノーズを見るとブーをしたくなるのだが、前半の得点の時にも我慢したのだから、今になって正体をばらすのは間抜けすぎると思い、ひたすら耐えた。

ファイナル・と同時に外に出る。バス停にたくさん並んでいた先発のバスに乗ることが出来た。17:00、2階席に座ると、私のすぐ後ろの席にビラ・ファンが載っていた。その人たちが、市内に着くまでずっとその後ろのシティ・ファンと白熱した議論を交わしていた。内容は「どのチームが最もお金を使っているか」など、平和的な議論だった。そのビラ・ファンはトットナムを徹底的に嫌っているらしく、トットナムに関する発言はなかなか面白かった。私の前の方に座っていたシティ・ファンの人たちも振り返って笑っていた。市内に着いたのは17:45。途中やや渋滞もあったが、試合後にしては悪くない所要時間だった。

ピカデリー駅に行く。リバプール行きは毎時7分発だと調べがついていた。幸いなことに、昨夜の繰り返しはなく、18:07の電車に乗ってほぼ定刻でリバプールに帰着した。


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