観戦記
2012/2/1 ボルトン 0-0 アーセナル |
入手に苦戦したチケット
リーボック・スタジアムに行くのはこれで4度目ですが、なんと意外なことにこのチケット入手には苦戦しました。この試合をテレビで見た人は(記憶していれば)分かると思いますが、もちろんスタジアムが超満員ですぐに売り切れたというわけではありません。逆にガラガラで、参考までに、ですがアーセナルでアウェイ・チケットを買うこともできた(かなり直前まで販売していた)くらいでした。
具体的に何に苦労したか、というと、このチケットはその前のリバプール戦とこの後のウィガン戦との3戦バンドル・チケットとして販売が開始され、比較的長い間、単品での販売はなかったのです。たまたま日程の組み合わせが悪かっただけです。誰の目にも明らかなように、この試合に対して販売制限をかける理由は全くなく、この前後の両試合の方に制限をかけるために、間に挟まってしまったこの試合が使われたという次第でした。
ウィガンもそうなのですが、ボルトンで近場に当たるチームの試合のホーム・スタンドのチケットを購入する時には必ず制限がかかります。近場と言うのは、マンチェスターの2チームとリバプールの2チーム、加えてブラックバーンとウィガンの6チームです。ウィガンの場合も全く同じチームです(言うまでもなく、ウィガンの代わりにボルトンが入ります)。
何故かと言うと、近場のチームだとアウェイ・スタンドが満員になることが多く、アウェイ・サポーターが勝って知ったるなんとかで、平気でホームのチケットを買ってはいってしまう人があまりにも多かったので問題になったのでしょう。
そのような次第で、近場のチームとの試合のチケットは、このようにバンドルとして発売されるか、以前に別のチームの試合の購入履歴があるファンに限定して発売するか、その両方の制限がかかるか、という感じで売られます。私がウィガン対マンチェスターシティのチケットを購入できたのは、2年前にウィガン対ハル・シティのチケット購入履歴があったためでした。それがなければチケットは買えませんでした。
で、ボルトンの方は、相手がアーセナルなのでその制限はないのですが、バンドル販売が続いたためなかなか購入できないまま出発の日が近付いたわけでした。
ともあれ、めでたくチケットを入手してみて驚いたことがありました。なんと、チケット受取オプションの中に「自分で印刷する」というのもあったのです。それを選んだところ、別便のメールでpdfファイルが送られてきて、それを印刷して持参しただけで入場できました。仕組みを知ってみると、最も手軽なチケット・システムだということが分かりました。
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試合日程の変更
次のハードルは、意外なところから発生しました。なんと、試合日程が、気付かないうちに変更になっていたのでした。もちろん、メールでの通達はあったと思います。ただ、自分が各クラブから送られてくるダイレクト・メールをいちいち読む習慣がなかったため見逃したのです。購入した時のチケットは1月31日と記載されていましたが、実際に試合は2月1日になりました。
その試合日程変更に気付いたのは1月の末でした。その前に、エバトン対シティの試合が、買った時には2月1日だった筈なのに直前になって1月31日に日程が変更されたのでした。エバトンの方の日程変更に気付いた時に、ボルトン対アーセナルと日程が重なることを知って顔面蒼白になりました。ダブル・ブッキングになってしまいましたが、このような場合にキャンセルするが可能かどうかわからず、(そもそも、他の試合の日程が変更になったため、と言う理由でキャンセルすることがありなのか、わかりません)暫く保留にしていたところ、ある日ふと見るとボルトンの方が逆に2月1日に変更になっていて、結果的に両方の試合に行けたという次第でした。
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マッチ・デイ
試合開始は20:00でしたが、かなり早くに出かけて16:47にはHorwich Parkwayに到着しました。前回リバプールのアウェイ戦で来た時にはボルトン駅で途中下車してスタジアムには比較的ぎりぎりの時間に入ったため、暗くなっていてスタジアムの写真を取るのに苦労しました。今度はゆっくりスタジアムを一周してぱしゃぱしゃ写真を取るつもりで早くスタジアム入りしたのです。
今回もボルトン駅で乗り換えでしたが、時間が早かったため、フットボール列車というよりは一般の電車のまま、Horwich Parkwayに到着しました。とは言っても、電車を降りると、意外と降りた乗客は多く、ぞろぞろと出口に向かいました。
出口を出ると目の前がスタジアムです。ふと見ると、電車を降りた乗客の一人が明らかに試合に行く雰囲気で、駅を降りた時からスタジアムの写真を取りながら歩いていました。
ちなみに、駅から行くとスタジアムがまっすぐ前に見えますが、スタジアムを超えると大きなショッピング・センターがあります。
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スタジアム
駅に近い入口からスタジアムに入り、要所要所で写真を取りながら外周を一周しました。
プレイヤーズ・エントランスの前には、アーセナル・ファンが待ち合わせしている感じで数人たむろしていました。この時間に到着しているということは、かなり早い時間にロンドンを出てきているはずです。彼らにとって良い試合になればよいが、と心の中でお祈りしながら通り過ぎました。
ふとみると、各ゲートの横に次のウィガン戦の大安売りのポスターが貼られています。シーズン・チケット・ホルダー向けのバーゲンですが「友達・家族特別割引£5」。この安さは凄い、と思いました。たぶんこの対戦は、来季はチャンピオンシップでの対戦となるでしょう。このスタジアムがチャンピオンシップのスタジアムになるというのは気の毒だと思いました。
そこからアウェイ・サポーター・スタンドの前を通り過ぎました。今回はホームですが、前回アウェイ・スタンドの入り口を取った写真が(夜だったため)手ぶれしていてまともな写真が残っていないため、今回は改めて何枚か取りました。
続いて、来客入口の前を通りました。この時間だと言うのに、数人のファンが待ち構えています。
そこを過ぎると、チケット受取とマッチデイ・チケット売り場があります。そこを過ぎると、クラブショップの入り口が見えてきます。
今回はクラブショップで買い物をする意欲満々でした。まずは、前回のリバプール戦の時にマッチ・プログラムを買い忘れて帰ってきてしまったため、プログラムは絶対買わねばと決意していました。
さて、クラブショップに入ったのは17:00。まだ試合まで3時間もあるし、中は誰も客がいませんでした。ものすごいバーゲンをやっていたのでいくつか買って、レジに行きました。現金で払って、£5.59のお釣りをもらうはずだったのですが、するとレジの女の子が明らかに動揺しています。私の方を見て「お金がない」と苦笑。よく見ると、レジはからっぽでした。「待たせてごめんなさい」と謝罪しながら上司を呼んできて...と、結局隣のレジから現金を持ってきてお釣りをくれて終わりました。ところが、その時に£5.59おつりのはずが、その上司という人が£5.60くれました。なんとも珍しい出来事でした。
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ショッピング・センター
クラブショップを出て、その裏のショッピングセンターにゆき、レストランに入って食事をすることにしました。ショッピング・センターの中にもいくつか飲食店がありますが、スタジアムに背を向けて先に進み、道路を渡ったところに大きなレストランがいくつも並んでいます。前回は時間がなかったため断念しましたが、今回はチャレンジしました。
そのうちのひとつ、イタリアン・レストランに入りました。今回、外食した時には殆ど毎回のようにイタリアンに入っていることに気付いたものの、見回すと他に選択肢はないようにも見えました。というのは、イタリアンが数件ある他には、ちょっと怪しげな辛い料理を出す外国料理レストランとかステーキ屋くらいでした。
結果的には、選択したレストランは正解でした。その時間から既に試合に行くらしい客がパラパラといました。隣の席の会話が聞こえてきて「試合開始は8時」とか言ってました。子供2人の家族連れでした。典型的なボルトン・ファンです。
ちなみにデザートのチーズケーキは絶品でした。18:30、次第に混んできたところで私は食事を済ませて、レストランを出ました。
試合までにまだ時間があります。次は、前回のリバプール戦の時に入れなかった「アウェイ・サポーターお断り」のバーにチャレンジしました。もちろん、入口には「アウェイ・サポーターお断り」のポスターが貼られています。(つまり、対戦相手によらず、常にアウェイ・サポーターお断りだということが判明しました)
しかし入口でもカウンターでもチケット・チェックはありません。なんか、あまり意味ないなあと思いつつ、30分くらい過ごしました。中は満員とは言えないものの適度に今度いました。でも、こんな感じならアウェイ・サポーターを締め出す理由が理解できない、という感じでした。
試合開始30分前になったので、バーを出てスタジアムに戻りました。既に暗くなっていて、アウェイ・スタンドの入り口の前には多くのアーセナル・ファンがいました。
私アウェイ・スタンドのすぐ横のホーム・スタンドの席です。自分のゲートの写真を取って、中に入りました。
入ると、スタンド裏は(アウェイ・スタンドとは異なり)ゆったりとした広さで快適です。
まずはペットをすることにしました。希望としては今日の試合は引き分けが望ましく、でも0-0はつまらないので1-1がいいなあ、という希望的観測で決めました。1stスコアラーには、ありきたりですがRVPにしました。得点との組み合わせで18倍になりますが、「RVPが得点する」だけに賭けた場合はマイナスになります。そりゃそうだなあ、と苦笑しました。
最後に、トイレに入って驚いたのが、せっけんの入れ物にボルトンのマークがあったことでした。なかなかしゃれたトイレです。これは他のクラブではなかった風景だ、と思って写真をぱしゃり。
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試合&スタンドの風景
さてスタンドに入り自分の席に付きます。なんと、リバプール戦でアウェイ・スタンドにいた時に、ひどい野次をさんざん投げかけてきたホーム・スタンドの、まさにその場所でした。あらら...。では、対戦相手によってホーム・スタンドの態度は変わるのだろうか、という観点から見学をしようと思いました。
ふと見ると、アウェイ・スタンドはほぼ満員です。今アーセナル・ファンはいろいろと難しい状況にありますが、それでもロンドンから平日というのにこんな多くのファンが来るのか、となかなか感動しました。
ふと、頭上を見上げると、エクゼクティブ・ボックスが見えました。中もまる見えだったのですが、なぜか全員14番のシャツを着た人の集団がいました。ふと見ると、その人たちが我々に気付いて、手を振ってきました。うむ、ボルトン・ファンはホーム・スタンドに座った時には良い印象の方が強かった、という記憶はやはり間違っていなかったと思いました。
試合開始前に、両チームの選手達が入場した時には、ボルトンのマスコットも一緒にセンターサークル付近を歩いていました。
さて、試合開始です。アウェイ・スタンドは最初からずーーっと歌い続けています。特にRVPの初コーナーの時にRVPの歌が盛り上がりました。そりゃそうだろう、とは思いつつも。
スタンドにいると、ものすごい寒さが身にしみました。ホーム・スタンドの方はあまりにも人がまばらだったので、風が吹きつけてきて涙が出るような寒さでした。ちなみに、試合内容も前半は特に、寒さがしみるような内容でした。
周囲のチャントや会話に耳を澄ましていたのですが、やはり特に問題発言やチャントはありません。前回、アウェイ・スタンドで目がくらむほどに嫌な気持ちになったのは、リバプール戦だけだったのか、と思いました。この当時、ルイス・スアレスの事件が毎日のようにメディアを飾っていたし、リバプール・ファンは「スアレス関連の野次を浴びせられるのはしかたない」と覚悟していたものでしたが、その覚悟は間違っていないという状況だったわけでした。
ところで、前半の20分を過ぎたころのこと、なんと私の横の(ホーム・スタンドの最もアウェイ・スタンド側の列のあたりで)、一人、つまみだされていました。スチュアードがやってきて、その人を「連行して」消えたのでした。
特に何か叫んだ声は聞こえなかったので、何かジェスチャーをしたのでしょうか?もしくは、禁止されているもの(アルコールなど)を持ち込んだところが発覚したとか?と思っていると、数分後に、次はアウェイ・スタンドにスチュアードが10人くらい詰めかけて、一人を「連行して」消えました。あらあら...
と思っていると、次にまたアウェイ・スタンドで一人。今度の人はアーセナルのシャツを着ている若い男性で、スチュアードに腕をつかまれた瞬間に抵抗して暴れたのです!あらあら、と思っていると、周囲のホーム・スタンドからその人に向かって大きな野次が飛びました。その人は、結局暴れながらスチュアートに囲まれて消えてゆきました。
ボルトン対アーセナルという、特にライバル意識が強いチーム同士の対戦とは言えない試合で、少なくても3名が「追い出された」わけです。
そのようなハプニングはありましたが、試合は、後半はやや見どころもありました。
65分ころに、ティエリ・アンリがサブで出てきた時には、アウェイ・スタンドはもちろんですが、ホーム・スタンドからも大きな拍手が出ました。いい雰囲気でした。
最後の10分は激しい攻撃の応酬となりましたが、しかしミス続きでゴールならず。この時にはホームからも歌が出ました。とは言っても、どこのチームも同じチューンの歌を採用している「ボルトン・ワンダラーズFC」というやつです。それ以外に、ホーム・スタンドでは歌らしい歌はないまま、終わりました。
あとは、お互いにチャンスを外しまくった時に、ホームとアウェイのスタンドでジェスチャー合戦が飛び交ったのは笑えました。お互いに、笑いながらやっていました。
ファイナル・ホイッスルの瞬間には両スタンドから拍手が出ました。
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試合後
寒いスタンドで寒い試合を見た後は、早々に帰途に向かいました。
スタジアムを出て、吹き付ける風にさからいながら駅に向かいました。涙が出るほどに寒かったのでした。
Horwich Parkwayの駅が見えた頃から、長い列が目に付きました。特にボルトン方向のプラットフォームの列の長さは半端ではありませんでした。しかたないので列に着いておとなしく待っていると、周囲の会話が聞こえました。「リバプール行きの最終に間に合うだろうか」と不安な口調で話していた人もいました。今からリバプールに向かう人もいるのだと思いました。
待つこと15分、しかも到着した電車には列にいた全員が乗ることができました。間もなくボルトンに着き、乗り換えのホームの待合室でサウスポート行きの電車を待っている間に、ふと見るとアーセナル・ファンがたくさんいました。今からロンドンまで帰るのでしょう。あの試合の後の長旅は辛いだろうなあと気の毒になりました。
暫くして、プレストン行きの電車が来て、多くのアーセナル・ファンが電車に乗って行きました。気を付けてお帰りなさい。
その後、しばらくして自分の電車が来ました。この時には待合室もほとんど人がいなくなっていました。後から気付いたことですが、これは自分にとっては最終電車でした。Horwich Parkwayの駅前で心配していた人と同じ境遇に合ったわけです。それにしても、サウスポートからボルトンというのはかなり近い道のりに当たりますが、それでも帰りが最終電車になるのです。平日の試合に応援に駆け付けるファンは大変だなあと、この時に改めて感じました。
以上、簡単ですが、ボルトン対アーセナルの観戦記です。
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