「よう、おひさし」
 たった二年でこうも変わってしまうのだろうか?背は見上げるほどに伸び、甘い表情は色気を帯びている。腕を組んで微笑むその姿は妙に大人びて見えた。
「ひ、久しぶ…」
 モニター越しには対して顔色一つ変えず、事務的な内容を話すだけで、もしかしたら覚えてないのか?などと考えもした。そんなはずはない。前大戦では一緒に戦ったのだ。それに全く何にもないわけでもなかったし。もしや、なかったことにしたいのだろうか?などとここのところ悶々としていたところへ、張本人の登場ときた。
(せっかく心入れ替えたのにぃ…)

中略

浴室の熱気にやられたのか赤い頬の彼女が瞳を閉じて顔を近づけてきた。こんなにもあれこれ考えていたのに、そっと頬に触れた唇の感触で、すべてが払拭されてしまう。
(まだコイツの事が、好きなんだ)
 逃したくなくて後頭部に手を回し、離れそうになる彼女の唇に食らいつく。
「…んっ」
 ミリアリアが苦しげに小さく声を漏らす。それすら吸い尽くしてしまいたくなる。
「ディア…っ」
 何も言うな。その一心で、薄く開いた口に舌をねじ込む。
「うぅん…」
 宙を彷徨っていた彼女の腕が背中にしがみつく。ぐるぐると口腔内を舌で撫で回せば、おずおずと彼女の方から舌を差し出してきた。逃さないとばかりに捕らえると、顎をツイと上げた。唇の端から零れ出る唾液を吸い上げながら、掌で身体のラインを撫でる。彼女の身体がぶるりと震え上がった。