■海洋科学技術センター施設一般公開



言わずと知れた潜水調査船「しんかい6500」を所有する、海洋科学技術センターの施設一般公開があり、行ってきました。 展示内容は、しんかい6500、無人探査機、高圧実験水槽、深海生物、潜水シミュレーター、潜水訓練プール、海洋科学技術館、など盛りだくさんで、真剣に見ようと思ったら、丸1日あっても足りないくらい。

事前の葉書抽選による海洋調査船「かいよう」の体験乗船や、景品つきのスタンプラリーなどもあり、ご家族連れやボーイスカウトから、こういう分野に興味があり専門的な質問をしている方々など、かなりの人出でした。

期 間2002年5月11日(土) 9:30〜16:00
場 所海洋科学技術センター横須賀本部(京浜急行・追浜駅下車)
入場料無料(当日は駅から無料送迎バス運行)
テーマ海と地球を君の手に!
 


・ しんかい6500

  • '90年に125億円かけて完成し、全長9.5m、重量26t。チタン製で肉厚73.5mm、内径2mの耐圧殻内に3名が搭乗する。年間60〜70回の調査潜水を実施中。通常潜航は8時間だが、5日分の酸素、水、食糧を搭載する。
  • 潜航速度は43m/分で、水深6,500mまでは2.5時間。目的の水深で、乗員と持込品の重量に合わせて積んであるバラスト(鉄板)の半分を投棄し中性浮力を保ち、調査後は残り半分のバラストを投棄して浮上する。バラストは1.2t程度でいずれ錆びてなくなり、値段は数千円程度との事。
  • ボディ側面を透明パネルにして内部を見せていたが、意外とスカスカな感じである。骨組みの鉄骨に耐圧殻や様々な機器が固定されているようで、ボディはFRPのようなものを被せてあるだけみたい。機器の隙間には樹脂の浮力材が隙間なく詰められている。本格的なオーバーホールは年1回との事。
  • フロントには、カメラ、投光器、マニピュレータ(アーム)、サンプルを採取するバスケットなど、色々と取り付けられている。
  • 3箇所ある窓は内径10cm、外形50〜60cmのすり鉢状。防水は、水深数十mまではゴムのOリングだが後はつぶれてしまい、窓ガラスと金属面との接触で保たれるのだとか。


・ 無人探査機

  • 写真左の黄色いのは、無人探査機「かいこう(ビーグル)」。全長3.1m、重量5.6t、最大潜航深度11,000m。目的地でランチャーから切り離し、ケーブル接続で動き回れる。
  • 写真右の赤白のは、深海巡航探査機「うらしま」。全長9.7m、重量7.5t、最大水深3,500m。燃料電池で自律航行する。
  • 他にも何台も展示。
 

・ 潜水訓練プール

  • 潜水技術者の養成、訓練、水中機器の開発、性能試験を行う施設。
  • 今回は小型水中ロボットの操作体験を実施。
  • スケジュールの書かれた白板を見ると、某国営放送の潜水班、某器材メーカTなども利用しているそうで。。。ちなみに利用料は1回2万円弱なのだとか。

・ その他

  • 深海底調査や海洋観測の研究成果、海底地震計、ユノハナガニやサツマハオリムシなど深海生物、潜水シミュレーター(加圧チャンバー)、大型高圧実験水槽など、様々な研究成果や設備を展示。
  • 写真は、水温2℃でも6時間生存できるという「イマーションスーツ」と「救命いかだ」で、国際航行する船舶に義務付けられているもの。イマーションスーツは、胸元のファスナー以外は完全に塞がれているセミドライスーツみたいな感じ。
  • 岸壁の実際の海中で、70〜80cmの小型水中ロボットカメラの操作も体験。モニター画面には水深と方位が表示され、ロボット本体の前後左右と上下の移動、カメラの上下の首振り、ライトのオンオフが可能。着底状態から動き出すには、当然下向きの水流で本体を浮かすため、浮遊物ですぐ視界が利かなくなってしまう。ケーブルにも引っ張られる感じで操作は極めて難しい。


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