■サンゴに迫る危機

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テーブルサンゴの群生エダサンゴの群生サンゴの触手(夜)

サンゴって植物?って話はよくありますが、白い石灰質の骨格に、単体のポリプが集合した立派な刺胞動物で、初夏の満月前後の夜に一斉産卵をする事でも有名です。

昼には体内に共生する褐虫藻が光合成で作った栄養をもらい、夜にはポリプから触手を伸ばしてプランクトンを捕食します。 紫、黄色、緑、茶色と色とりどりなのは褐虫藻の色によるものです。

サンゴの群落であるサンゴ礁には、天然の防波堤となる、隙間が小さな生き物の隠れ家となる、様々な生物の棲み処となる、これらの小さな生き物を狙う大きな生き物が集まる、時には他の生き物達の食料にもなるなど、様々な役割があり、海の生態系の基盤となるとても重要なものです。

ところが近年、このサンゴ類がレッドリストで絶滅危惧種に指定されるなど、危機的な状況にあります。

 白化現象
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サンゴの白化現象元気な青 ⇒ 白化 ⇒ 死…イソギンチャクも白化
  • 30℃以上の高水温やストレスにより、褐虫藻が抜け出してしまい、骨格の白が目だって白くみえる現象。 これは瀕死の状態で白化が長く続くといずれ死んでしまい、たちまち苔が付着して見るも無残な姿になってしまう。
  • '98年には世界中で大規模な白化現象が発生、エルニーニョによる世界的な海水温上昇が原因とも言われ、以降も頻発してしまっている。
  • 台風はサンゴを物理的に破壊してしまう事もあるが、水を撹拌する事で表層の高水温を下げてくれるメリットもある。
  • 最近では、強い紫外線による影響も大きいと分かり、保護する海域を決めて海面に遮光ネットを設置する、水面を波立たせて光を弱める噴水なども研究されている。
 食  害
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オニヒトデによる食害オニ退治?
  • 50〜60cmにもなるオニヒトデがサンゴに群がり、サンゴのポリプを溶かして食べてしまい、後には白い骨格が残るだけになってしまう。 もちろんオニヒトデは昔から生息しているものであり、成長の早いサンゴを好んで食べるため、他のサンゴが育つスペースを空けてくれるなど、サンゴの種の多様性を保つために必要とも言え、時に大発生を起こしてもきちんとサンゴは回復してきた。 しかし沖縄では'70年頃から、サンゴが回復する間もない程に大発生が頻発してしまっている。 海水の富栄養化によるオニヒトデ幼生の異常繁殖が原因の1つとも言われる。
  • トゲに強い毒があり、刺さると痛みを伴いかなり腫れてしまうため、注意しながらカギ針などで引っ掛けて網に集めて陸で処分する、再生しないよう細かく切り刻む、ホルマリン注射をするなど、トン単位で除去しても駆除しきれない状況。 現在では保護区域を限定し、そこだけを集中的に駆除して守らざるを得ない状況。
  • 春から夏に産卵、植物プランクトンなどをエサに3年で成長、寿命は6〜7年とも。 天敵はホラガイ、フリソデエビ、フグの仲間などいわゆるヒトデ類の天敵だが大発生を抑える程ではない。 ダイバーがオニヒトデを潰すとサザナミフグが内臓を食べに来たりもする。

  • 3cm前後の巻貝のレイシガイ(ヒメシロレイシガイダマシ)が異常発生し、ポリプを食べてサンゴを死滅させてしまう。
  • サンゴの枝の奥に潜み、長いピンセットで1個ずつ取るのは非常に手間のかかる作業で、意外と動きも早くてちょっと触れるとすぐに隠れられてしまう。
 ホワイトシンドローム
  • 原因不明のサンゴの病気で、組織が溶けて壊死してしまうもの。 帯状に白く変色が進み、やがて群体全体に広がってしまう。 白化現象とは別のもの。
  • 変色している病変部を破壊して持ち帰ることで、全体に広がるのを防げる事が確認されている。

 有害物質
  • 開発や農地から流出した赤土は、海水の透明度を落として褐虫藻が光合成できなくなったり、直接サンゴの上に堆積したりして大きなダメージを与えてしまう。
  • 畑から流出した農薬、工業・生活排水、船底塗料などの化学物質が、サンゴの生育に影響を及ぼす事も確認されている。


サンゴだけでなく、海の中には様々な異常事態が起きてしまっています。。。
もちろん自然の環境変動によるものもあるかもしれませんが、多くはこれまで好き勝手に環境や生態系を変えてしまってきた人間の責任でしょう。 1人あたり世界平均の約3倍ものエネルギーを消費している日本の現状なども考えると暗惨たる気持ちになってしまいますが、、、では我々に何が出来るのでしょうか?  難しく考えると何をしたら良いのか分からなくなってしまうので、まずは日常生活の中でこれまで無駄に消費してしまってきた物を少しでも省いていく事からではないでしょうか?
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ビーチクリーニングいつまでも…
地球規模の事態に、我々のできることを考えるのは無謀のようにも思えますけど、、、しかしまさに「チーム・マイナス6%」のように、1人1人が6%以上の無駄なエネルギー消費を減らしていけば、きっと目に見える効果が現れてくると思います。

まずは意識を変えること、身近な無駄を省いていくこと、さらにはビーチクリーニングやサンゴ移植など直接的な活動に参加することで、回りの人々にその思いを伝えていくこともできると思います。

将来、子供たちに「昔はねぇ、海って青くって、お魚という生き物たちがいたんだよ…」なんて言いたくないですよねぇ。。。

  ・ サンゴリンク    国際サンゴ礁年2008 サンゴ礁保全活動の展開
チーム・マイナス6% みんなで止めよう温暖化
日本サンゴ礁学会 '97年設立、学会の開催
地球シミュレータセンター 大気・海洋シミュレーション
阿嘉島臨海研究所 海洋科学研究施設
サンゴ礁保全・保護・リーフチェック ボランティアで調査
  


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