■私がダイビングを始めたワケ


 子供の頃は、親が金魚を飼ってたり、近所で釣ったフナやクチボソを飼ったことはありましたが、熱帯魚には全く興味がありませんでした。

 ところが勤務先のバブル時代につくったモデルルームに、1m×50cm×50cm位の大きさで水量約180リットルという、けっこう豪華なインテリア水槽があり、カタログ撮影のため、そこに多量の海水魚が入れられたのです。初めて見るキレイなお魚たちに感動していると、なぜかその後の世話を任されることになりました。

 水槽屋さんに「この海水魚はもうダメだよ」と言われましたが、意味もよく分からず、とりあえず80リットルの別の水槽を借りて海水魚を移し、インテリア水槽には淡水魚を入れて飼い始めたのです。

 インテリア水槽の淡水魚は、その後順調に育ったのですが、海水魚は水槽屋さんの言った通り、オトヒメエビとシライトイソギンチャクを残し、その後1週間で全滅してしまったのです。ご存じかもしれませんが、海水魚は大変にデリケートで環境適応能力が低く、撮影のため新しい水槽に何度も入れ換えられたショックと、その後のアンモニア中毒でやられてしまったのです。当時の私は何も知識がなく、毎日毎日死んで行く魚達をただ見てるしかなかったのです。

 その後はいろいろと勉強し、残ったエビとイソギンチャクは1年飼い、その後借りた水槽を返すため、ある熱帯魚屋に引き取ってもらい、淡水魚は職場が変わるまで3年間世話をしました。

 やはり長い間世話をしていた魚達がいなくなると淋しいもので、自分の部屋で飼おうと思ったのですが、湿気や夏の温度管理の事などを考えると、狭い寮の部屋で飼うのは難しく、それならばいっその事、実際に住んでいる海の中に見に行こうと思い立ったのです。


 潜っていて、オトヒメエビや、死なしてしまった魚達を見つけると、非常に懐かしい感じがします。潜ってる時は、魚を見る時間はほんの数分ですが、長く飼ってみると色々な習性や性格が分かってきます。

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オトヒメエビ
 オトヒメエビは臆病で、普段はサンゴの影に隠れていますが、エサをやるとそろそろと出てきて、なかなか可愛い奴です。水替えの時、網ですくうと暴れて、よく片方のハサミがもげたりします。でも2〜3回脱皮すると徐々にハサミが生えてきてすぐに再生します。また、イソギンチャクにやったエサを横取りしようとして、触手につかまりかけながら戦う姿も、結構笑わせてくれます。

 シライトイソギンチャクは、自分で動き回り、自分の好きな場所に居付きます。調子が悪いときは縮こまり小さくなってますが、調子がいいと触手を目いっぱい広げ、優雅な姿を披露してくれます。ヒラヒラ動く触手は何時間見ていても飽きないもので、安らいだ気持ちにしてくれます。最初、掃除の時、プラケースに入れといたら、そこにピッタリ張り付いてしまい、取れなくなり困ってしまいました。2時間くらい逆さにして水槽に浮かべてたら、ようやく自分から離れてくれて事なきを得ましたが、それ以来は張り付いている珊瑚ごと移すようにしました。

 他の魚達は1週間で死なせてしまいましたが、あれから経験も積んだので、また機会があれば、ぜひ海水魚の飼育にチャレンジしてみたいと思っています。



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