■久里浜海岸・海中クリーン作戦

本 数216本目
日 程04.10.24
内 容海中清掃
場 所久里浜海岸・ペリー公園前
透明度0.3〜1.5m
水 温20℃ ドライスーツ
見た魚ウミサボテン、ハゼの仲間、ウニの仲間、ナマコの仲間、ウミウシの仲間、等


以前から、気にはなっていたダイバーによる海底清掃。 けどなかなか参加するチャンスに巡り合わずにいたところ、10/5 JCUEのメルマガの案内に「横須賀市久里浜海岸清掃」とあるのを発見。 必要なダイビング歴や技術、ゴミの収集方法、久里浜海岸の汚染状況など、いくつか気になるところを問い合わせて確認した上で申込んだ。 なお申込時に、せっかくだからデジカメ持参でも良いかと尋ねたところ、なんと「写真を撮る係」としての参加となった (^^ゞ

10/24(日) 7:00 家を出て、路線バスで最寄り駅へ。 横須賀線に乗り 8:27 JR久里浜駅に到着、8:37 京急バス(久8系統:野比海岸行 \170)で 8:45 ペリー記念碑バス停で下車し、すぐ目の前の集合場所、ペリー公園前に到着する。 本部テントで、事前に郵送されてきたメディカルチェック表等を渡して手続きするが、一人だけカメラマンと記載されていたのは、こっ恥ずかしいというか、プレッシャーである (^^;;  用意された更衣室テントで着替え、器材を青シートの上にセッティングし、チーム毎にミーティングを行うが、自分は特にチームが決められてないので適当なチームに加わる。

清掃するのは海岸から10m位の所を水平に移動する50mの範囲で、既に海底にはロープが張られ、En/Exのブイも設置されている。 ヘドロが舞い上がってしまう為、バディ毎に1〜2分の間を空けながらエントリーしていき、リーダーとアシスタントは水面から泡を追うスタイル。 バディ同士は3mの紐で繋がり、1人はコース取り、もう1人がゴミを拾う役割。 ゴミはネットの袋(緑色のタマネギ袋)に集め、最後に紐で繋がれた500mlペットボトルにエアを入れて浮かせて目印にし、後からボートのスタッフが回収する仕組みになっている。

boatstuf.jpg entry.jpg
ボートのスタッフエントリー
umiusi.jpg namako.jpg
ウミウシの仲間ナマコの仲間
saboten.jpg tire.jpg
ウミサボテン古タイヤ
gomi_lec.jpg gomi_up.jpg
ゴミ講義海底のゴミ
beach_cl.jpg gun_curry.jpg
海岸のゴミ海軍カレーの昼食
デジカメ Canon PowerShot S30
ストロボ INON D-180
レ ン ズ INON UWL-105AD,UCL-165AD


9:45 主催者挨拶があり、海中清掃は今回初めての試みで定員通り45名、海岸清掃には37名が参加しているとの事。 10:07 いよいよエントリー。 波打ち際の数mはまだ砂地が見えるが、すぐにヘドロが堆積する状態になり、顔を付けると透明度は数十cm、すぐ目の前のブイも見えない。 先行するバディに続いて潜降すると、、、これまでに未経験の透明度の悪さに自然と恐怖感が湧き上がり、呼吸が早く息苦しくなって浮上したい衝動に駆られかけるも、何とか自分を落ち着かせる。。。

平衡感覚が損なわれたような感じのまま、水深5〜6mの海底にたどり着くとヘドロがグズグズの状態。 ちょっとでもフィンが触れたりするとヘドロ煙がもうもうと立ち上り、視界は完全に失われてしまう。 ロープもゆるく張られて半分ヘドロに埋もれてるので、きちんと手繰りながら行かないと、ほんの一瞬の間に見失ってしまう。

ヘドロを巻き上げないよう、気持ち体を浮かせるともう手元のロープは見えず、一面のヘドロスープの中では水深の感覚が全く分からないため、かえってヘドロの海底に突っ込んでしまったりもする。 海底が見えるように、あくまで顔は地べたを這うようにし、下半身を浮かせて、じわりじわりと進むのが良いようである。

落ち着いてきて、海底を観察するゆとりが出てくると、一面のヘドロの上にも、海底をピュンと飛んで巣穴に隠れるハゼの仲間や、ウニ、ナマコ、ウミウシの仲間、透明度の悪さに夜と間違えたのかウミサボテンなど、意外と多くの生き物達が息づいているのに気が付く。 途中、何か青っぽいゴミの上に乗ってるナマコを見つけて自分の体の向きを変えて写真を撮ってると、後から来たダイバーにいきなりガバッと拾われてしまう。 つまり、ゴミを挟んだ目の前の相手が全く見えないほど透明度が良くない訳で、ちょっと相手をよけたらロープを見失ってしまい、危うく迷子になってしまうとこだった (^^ゞ 

エギジット後は、ペリー公園のトイレ前に用意された桶で器材を洗って、海岸の青シートの上で水切りをし、市のスタッフがピストン輸送してくれるライトバンで、すぐ近所の市民プールのシャワー場へと向かう。 ヘドロの臭いや汚れが気になるところだが、幸い臭いは大した事はなく、器材への汚れ付きも殆どなかった。

11:30 海岸に戻り、ゴミ問題のミニ講座。 本日の収穫物と写真パネルを前に、ゴミを誤飲してしまったウミドリ、アザラシ、ウミガメなどの状況、特に近年増えてる樹脂ペレットの漏出など、説明を聞く。 透明度の関係で、5チームとも同じ50mのロープ沿いのみの清掃となったため、海底の収穫物は余り多くなかったが、予想通り空き缶やスチロール容器、ビニール類などがあった。 なお安全第一という事で、古タイヤなどの重量物は、今回は対象外となっている。

横須賀と言う土地柄、いわゆる海猿系の作業ダイバーも多数参加されていた。 我々レジャーダイバーは当然、ヘドロ表面のゴミを拾ってたが、彼らはヘドロに手を突っ込んで、ヘドロの奥に沈んでるゴミも探索してたとの事 (^^;;  また外国人のダイバーも多く参加しており、自分も含め日本人の環境問題への意識の低さを考えさせられた。

お昼は本部テントにて、横須賀名物「海軍カレー」が振舞われた。 またJCUE代表の方にこの日撮ったデジカメ写真のデータをお渡しして、写真係の任務も終了。 本当はゴミの前で待ち伏せて、ダイバーが拾う様子とかを撮りたかったのだが、いかんせんこの透明度では致し方ない。。。  12:30 現地解散し、京急バスで京急久里浜駅に向かい、13:10 横須賀線へ、ほんのりとヘドロの臭いに包まれながら (^^;;、路線バスと乗り継ぎ、14:40 帰宅した。 なお今回かかった費用は、タンク&ウエイトと昼食は無料、交通費 1,920円だった。

今回初めての海底清掃(撮影 (^^ゞ)の参加だったが、ほんのちょっと潜っただけで、あれだけのヘドロが堆積している状況で、東京湾全体では果たしてどれだけの量になるのだろうか?  他のゴミも含めて、回収するにはどれだけの手間隙がかかるのか、想像すらつかない。 工場排水による汚染は改善され、今は生活排水が大きな汚染源となってるそうで、まずはこちらから手を付けなくてはならないのかもしれない。 このヘドロの海にもまだまだ生物は頑張っている訳で、水中写真家の中村征夫さんが東京湾にこだわり続けるその意味を初めて体感することが出来、また視界数十cmというダイビングも (^^;; 非常に貴重な経験だった。

水深グラフ    ・ 関連リンク

  横須賀港 主催元の横須賀市港湾部 港湾企画課
  横須賀市公園 ペリー公園など

  JCUE 後援の日本安全潜水教育協会。
       「活動レポート」に本栖湖湖底清掃レポートも。


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